「市民感覚」を刑事裁判に取り入れるために2009年から始まった裁判員制度が、開始から15年となりました。

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裁判員制度は、殺人や強盗傷害などの重大事件の一審に国民が参加することで、国民の視点や感覚を裁判に反映させようと始まった制度です。

最高裁判所によりますと、この15年間で全国では延べ1万6000人以上の被告が裁判員裁判で裁かれ、46人が「死刑」、302人が「無期懲役」の判決を受けました。

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そのうち熊本地方裁判所で裁かれたのは155人。判決は「死刑」が1件、「無期懲役」が2件でした。

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一方で、県内で裁判員を経験した人は859人です。※2022年12月末時点

ただ、去年(2023年)は64.1%の人が候補者を辞退。全国の辞退率は53.1%から68.8%に上昇し、この15年で108万人以上が辞退しています。

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この状況について、制度に詳しい熊本大学の岡田行雄(おかだ ゆきお)教授は。

刑事法に詳しい 熊本大学法学部 岡田行雄教授「辞退率は放っておけばどんどん上がることはあっても、下がることはないのでは。負担は変わらないから」

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岡田教授は、重大事件の被告を裁く責任の重さや、被告と対峙する恐怖心などが辞退率の上昇に繋がっていると指摘します。

岡田教授「殺人事件などの凄惨な写真を見るので、なにかあったら怖い。『顔を覚えられたらどうしよう』とか」

その上で、制度継続のためには見直しも必要だとしています。

岡田教授「対象を重大な事件ではなくて比較的軽微なものにすべき。このままでは裁判員制度は持たなくなるのではと危惧するところ」