「緊急事態宣言」が発出された。新型コロナウイルス感染症の陽性者数が急増しているため致し方ないが、休業協力金などの十分な支給と雇用調整助成金の支給拡大はセットで行う必要がある。政府は、完全失業率3%程度、有効求人倍率1倍のラインを死守すべきである。

 直近の2020年11月の完全失業率は前月比0.2ポイント減少の2.9%となった。一旦は高まりかけた完全失業率だが、経済活動の拡大に伴い抑え込みに成功したといえる。ただし、内閣府が20年7月に試算した結果によると、20年度平均の完全失業率は3.2%へ高まると見込んでいる。

 同じく20年11月の有効求人倍率は前月比0.2ポイント上昇の1.06倍で、緩やかな回復傾向にある。有効求職者数は同1.5%増加したものの、有効求人数がこれを上回る同3.0%増加したためだ。今後も求職者数を上回るペースの求人数増加を維持できるかがカギである。

 新型コロナウイルス感染症の陽性者数が急増し、病床数の確保が困難となりつつあるなら、同宣言発出は致し方ない。しかも、いまのところ11都府県に限定的、集中的に適用している。

 しかし、日本の中核エリア、大都市に適用される同宣言が、雇用情勢に与えるマイナスのインパクトは、決して小さくない。ようやく回復基調に乗っていた雇用情勢が、再び厳しい局面に立たされるのは明らかである。完全失業率3%、有効求人倍率1倍のラインは死守する決意で臨むべきだ。

 重要なのは、事業者への資金供給である。第2次補正予算の予備費残などを投入し、従来の水準を上回る休業協力金の支給と雇調金の特例延長および支給拡大が不可欠である。この点、政府は、営業時間短縮に応じた飲食店への協力金上限を店舗当たり日額6万円に引き上げるとしている。「店舗当たり」とする条件変更により、事業者当たりの支給総額は飛躍的にアップしよう。雇調金も大手企業に対する助成率を引き上げる。

 思い切った支給増といえるが、雇用情勢を注視し必要なら再度の拡充を望みたい。