2022年1〜3月に公開した『今週の視点』をまとめてご紹介します。

リビングウェイジ 生計費踏まえて底上げ問う 企業内最賃の目安に
https://www.rodo.co.jp/news/119796/
連合は、必要生計費をもとに最低限必要な賃金水準を試算するリビングウェイジを4年ぶりに改定した。2022春闘方針で企業内最賃の目安を50円高める根拠の一つとなったもので、単身世帯モデルの水準が前回の17年版から月額で約1万円、時間額で58円伸びている。人手不足への逆戻りが一気に進みつつあるなか、近年の最賃急騰や共働きの拡大で取り残されてきた生計費の意味が改めて問われるかも知れない。

企業の人材確保 就職氷河期世代に注目を 関連助成金が拡充
https://www.rodo.co.jp/news/120535/
政府は昨年末、就職氷河期世代支援に関する行動計画2021を決定した。2019年6月策定の「就職氷河期世代支援プログラム」に基づく個別の取組みを明らかにしたもの。業界団体と連携した即効性のある就職支援の内容や、受入れ企業向けの助成金の拡充内容などを示した。人材確保に悩む企業は、政府による支援措置が拡大しているこの機を捉え、就職氷河期世代の採用・活用を検討してはどうか。

二重加入の潜在需要を検証 改正雇保法が開始
https://www.rodo.co.jp/news/120985/
令和4年1月から、雇用保険のマルチジョブホルダー制度がスタートしている。高年齢者本人が加入・非加入を選択するなど従来の仕組みとは異なる点が多い。「試行的な」制度導入であり、普及にも時間を要するとみられる。しかし、副業・兼業の促進のためには、「割増賃金の支払いを要しない」短時間就労者の増加が不可欠で、制度拡充も含めて今後の展開が注目される。

教育訓練費 月平均わずか670円 時間的にも余裕なし
https://www.rodo.co.jp/news/121521/
イノベーション創出に向けて「学び直し」の必要性が高まっているなか、企業が労働者1人に対して負担している1カ月当たりの教育訓練費は670円に留まっている。労働者にとっては、長年の人手不足などの影響で業務上の負担が重い状況は続いており、自己研鑽を積もうと思っても時間的・金銭的余裕はないのが実態だろう。今春の労使交渉では、学び直しにも焦点を当てて議論を進めてもらいたい。

治療と仕事の両立 使いやすい制度へ整備を
https://www.rodo.co.jp/news/121853/
医療の進歩により、がんの5年相対生存率は年々上昇している。がんなどの疾病に罹患しても、治療をしながら働きたいと希望する人が増え、企業では支援のあり方が課題となっているところだ。がんサバイバーの花木裕介さんは、制度整備と職場風土醸成を両輪で進めることが重要と指摘。自身の体験から、会社の治療休暇制度などが利用でき、職場の仲間や経営層に理解してもらえたことで復職できたとしている。

無期転換ルール 活性化へ通知義務付けも 時期は「更新ごと」に
https://www.rodo.co.jp/news/122098/
パートタイム労働者を活用する際の従来の常識が、近年大きく変わりつつある。今年10月には地域別最低賃金の改定と並んで社会保険の適用拡大を迎える一方、厚労省では昨年から無期転換ルールに関しても見直しの検討を始めている。実際の権利行使が3割弱、権利発生を通知する企業も5割強に留まるという実態を受け、権利発生以降は契約更新ごとの個別通知を義務付けるなどの措置が議論されている。

他社へ就業より低リスク 「社内副業」が広がる
https://www.rodo.co.jp/news/122413/
社内の他部署での業務を認める「社内副業制度」を導入する企業が増えてきた。企業側のメリットとして、人材の流動性の向上やイノベーションの創出、労働者側では自身の強み・弱みの把握や新たなスキルの習得などが挙げられる。他社での就業を認めるタイプの副業と比べると労働時間管理のリスクは低い。一方で部署の人気・不人気が浮彫りとなって、人材の配置が難しくなる可能性もあり、対応が求められよう。

健診自己負担軽減へ期待 事業主にもメリット
https://www.rodo.co.jp/news/122799/
全国健康保険協会(協会けんぽ)は準備金の還元策として、生活習慣病予防健診の自己負担額を軽減する方向での検討に入った。企業にもメリットのある施策であり、期待したい。積み立てた準備金のほとんどは労使が拠出したもので、労使のために遣われるべきだ。財政が良いときは国庫負担を減らし、悪化すると料率引上げとなった雇用保険の「二の舞」は避けてもらいたい。

奨学金返還支援事業 中核人材の確保に有効 企業と行政が負担
https://www.rodo.co.jp/news/123072/
東京都は人手不足の中小企業における人材確保を支援するため、奨学金の貸与を受けている学生を建設業やIT業界などの技術者として採用した際、採用企業と連携して奨学金返還費用の一部を助成する事業を開始した。企業の負担額と同額を東京都が負担する。対象となる業界や支援額は異なるが、同様の制度は多くの都道府県で行われている。将来の中核人材の確保を課題とする企業は、それらの制度の活用を検討してはどうか。

良い睡眠で業務効率向上へ 厚労省が特設サイト
https://www.rodo.co.jp/news/123335/
日本人の睡眠時間の短さが問題になっている。長期間にわたる深夜にまで及ぶ業務は睡眠不足を引き起こし、うつ病になるリスクを高める。厚生労働省では、このほど「スマート・ライフ・プロジェクト」の公式サイト内に特設ウェブコンテンツ「良い睡眠で、からだもこころも健康に。」を公開した。睡眠にまつわる解説記事を掲載するとともに、業務効率向上を目的に仮眠を制度化した企業の事例も紹介している。

65歳定年延長 格差防止へ段階的移行を 増える処遇維持型
https://www.rodo.co.jp/news/123733/
60歳定年を見直すに当たり、非管理職層の処遇を維持するケースが増えてきた。大手・中堅規模では従来、定年延長に伴って賃金を一部減額するのがセオリーだったが、今春改定を決めた企業には65歳まで既存制度の適用を継続するパターンがめだつ。処遇を維持したまま65歳まで再雇用する事例もみられ、施策の多様化が進んでいる。今後、70歳雇用を見据えて取り組む場合には、移行に伴う格差の発生にも十分配慮したい。