「サトテルの“勘違い確信歩き”の怠慢プレーは星野さんなら罰金100万円」阪神が楽天にサヨナラ負けで3年ぶりの6連敗を喫した理由…3人が回跨ぎの執念采配も裏目に
RONSPO6/15(日)21:29

阪神の佐藤輝明が本塁打と勘違いしての確信歩きでフェンス直撃段がシングルヒットに終わる失態
阪神が15日、仙台での楽天戦で延長12回にもつれこむ激闘の末、2−3で2日連続のサヨナラ負けを喫した。3年ぶり6連敗。2−2で迎えた延長12回に藤川球児監督(44)は湯浅京己(25)に回跨ぎの2イニング目を任せたが、これが裏目に出て一死一、三塁から代打黒川史陽(24)にサヨナラ内野安打を許した。6連敗の象徴的シーンが延長11回に佐藤輝明(26)がフェンス直撃の飛球を放ったが、本塁打と勘違いの確信歩きで全力疾走を怠りシングルヒットに終わった怠慢プレー。この日はセ・リーグが全滅で順位やゲーム差に変動はなかったがチームの立て直しが急務だ。
回跨ぎの湯浅が延長12回につかまる
屈辱の6連敗を象徴するシーンだった。
2−2で迎えた延長11回だ。先頭の佐藤は楽天6番手のドラフト4位のルーキー、江原の3球目のフォークのスッポ抜けをしっかりと捉えた。手応え十分だったのだろう。バックスクリーンの右へ飛んでいく打球を見送りながらの確信歩き…。その後、ゆっくりと走り出したが、なんと打球は失速してフェンスを直撃。それを見た佐藤は「おい!」と声をあげて、一塁ベースの手前からスピードアップしたが、もう間に合わずシングルヒットに留まったのである。最初から全力で走っていれば、間違いなく二塁打だった。佐藤は両膝に手をおいて悔しさを示したが、プロのしかも、4番を任せられるチームの看板打者としては、あり得ない怠慢プレーだ。
ある球界OBは怒りを込めてこう伝えた。
「星野さんなら罰金100万円だよ。終わったことはしょうがないではなく、阪神はなにかしらのペナルティを佐藤に与えないとチームはこの後もまとまることはない。それくらい大きい失態だった」
阪神を2003年に優勝へ導いた故・星野仙一氏は、全力プレーがゆえのミスには何ひとつ文句を言わず叱責も行わなかったが、怠慢プレーだけは許さなかった。それは戦闘集団のチームの士気、統率にかかわる問題だからだ。時には鉄拳、時には罰金を取った。
50歳まで現役で投げた中日の“レジェンド左腕”山本昌氏が、いろんなところで証言しているが、中日の監督時代には、怠慢プレーに対して超高額の罰金100万円を科したこともがある。その分、活躍した際には、監督賞などで、しっかりと“返金”していたそうだが、二度と繰り返させないため高額罰金だった。この日のサトテルの怠慢プレーは、罰金100万円に相当するプレーだろう。
スポーツ各紙の報道によると、藤川監督は、この走らなかったことに関して「チームを預かる立場としては、明後日からそういうものがないような姿で、チームとして臨む。自分の責任としてしっかり火曜日からやらなければ」と叱責することなく自らの責任に転嫁したそうだ。
しかし、指揮官として、この問題の“事後処理”を誤れば、今後の阪神の一丸ムードに影響を及ぼしかねない。
なにしろ佐藤が走らずにシングルヒットに留まったことが勝敗に響いたのだ。
続く大山がレフト前ヒットでつないだ。たとえ佐藤が二塁にいても、1本で生還できたかどうかは微妙だが、無死一、三塁の勝ち越し機は作れただろう。
そのチグハグが攻撃のリズムを崩したのだろうか。
無死一、二塁から途中出場の高寺は走者を進めることができなかった。ベンチのサインはバント。江原はコントロールに苦しみカウント3−0となった。当然、ストライクを取りにきたが、高寺は、投球と同時にバントの構えをしたが見送った。ストライクとコールされた。見極めたというよりバントをする意思が見えなかった。「待て」だったのか。それとも自ら1球見たのかはわからない。だが、ひとつストライクを無駄にすることは、心理的なプレッシャーを増すことになる。高寺は、次は最初からバントの構えをしたが、外角球にバットを引き、またストライクとなり、フルカウントに追い込まれてしまったのだ。
ここでベンチのサインはバスターに切り替わった。打球を転がすことが必須だが、ポーンと打ち上げてのレフトフライ。結局、代打糸原、途中出場の梅野と凡打し、勝ち越し機を生かすことができなかった。
そして勝ちがなくなった延長12回に2日連続の悪夢が待っていた。
藤川監督は、11回を三者凡退に抑えていた湯浅を回跨ぎ登板させた。6日のオリックス戦で石井が頭に打球を直撃して戦列を離れることになって、ブルペンのやりくりに苦労している藤川監督は、6回2失点と、踏ん張っていた伊原に代えて、7、8回を及川、9、10回を岩崎と2人に回跨ぎをさせていた。明日16日にゲームがないことも考慮した上での連敗ストップへの執念采配だった。
及川、岩崎は走者を出しながらも無失点に切り抜けていた。だが、11日の西武戦で9回にストッパー起用されたものの期待に応えることができず、前日は、6回に繰り上げ登板となっていた3人目の湯浅の回跨ぎは裏目に出た。
一死から、この日、ここまで4三振とさっぱりだったゴールデンルーキーの宗山に高めに浮いたカットボールを逆方向のレフト線に運ばれた。初球もストレートが高めに抜け、ボールを制御できていなかった。二塁打となり、さらに辰己には、149キロのストレートを一、二塁間に引っ張られて、一死一、三塁のサヨナラ機を提供してしまった。
楽天ベンチは、前日に猛打賞、この日も2安打の中島に代打の黒川を送ってきた。驚きの采配だったが、中継局の代表インタビューによると、三木監督は、「彼と(昨年2軍監督して)ファームでやっている中で勝負強さがある」というメンタルに賭けたという。
1球目、2球目と続けてカットボールが浮き、ボールが先行した。回跨ぎの湯浅は、明らかにおかしかった。そして3球目もカットボール。当然、ストライクゾーンに寄せてきたそれを引っ張った黒川の打球が、セカンドの右を襲う。中野は意地のダイビングキャッチで、これを止め、バックホームしたが、間に合わなかった。梅野がキャッチできなかったが、「ゴロゴー」を仕掛けた宗山のスタートはよく、タイミングは完全にセーフだった。サングラス姿の藤川監督は、腕を組んだまま、しばらくベンチを動かなかった。
今季ワーストの6連敗。矢野監督時代の2022年8月9日から17日に8連敗して以来、実に3年ぶりの屈辱である。
先発の伊原は、2点を先制されたが、7回に相手のミスにもつけこみ、坂本のタイムリー二塁打と、近本の犠飛で同点に追いついた。6連敗中、4試合が1点差ゲーム。紙一重の勝負を落としているだけに、なおさらダメージが大きい。現在リーグで打点トップの森下は、6打数ノーヒットに終わり、そのうち5打席が内野ゴロ。なんとかしなければの思いが、力みにつながり、今季から取り組んでいる「インサイドアウト」のスイングをどこかに忘れてしまっている。
そして3人に回跨ぎ登板をさせたほど非情事態のブルペンの整備。立て直さねばならない課題は山積みである。幸いにも、他のセ・リーグのチームも、この日は全敗。阪神は、首位をキープしたままで、2位の横浜DeNAとの2.5差にも変動はなかった。阪神は17日から甲子園に腰を落ち着け、ロッテ、ソフトバンクと交流戦最後の6連戦に挑むことになる。










