ライバル社の苦境に同業他社が立ち上がった。石垣市のクリーニング工場「太洋リネンサプライ」は1月2日深夜と同4日未明に2度の火災に見舞われ、工場の4分の3を焼失した。太洋社の苦難に沖縄県内の各リネン工場が協力に名乗りを上げ、約100日が経過した現在もサポートを続けている。「沖縄観光を支える」とのリネンの下、「助け合っていくしかない」と結束している。

 八重山圏域のホテルなどで7割のシェアがある太洋社。火災で電源や洗濯機が使用不能になり、ベッドシーツやタオル、枕カバーなどリネン類の洗濯やプレスが困難となった。火災直後から市内のライバル会社が工場を貸したり洗濯を請け負ったりした。それでも処理が追いつかず、1月中旬からは船舶で本島の同業他社へコンテナで輸送し、各地の複数業者が対応している。
 
 今月15日に石垣市内で県内のリネン会社の代表らが集まり、会見を開いた。各社が協力して1社を支えるのは例がないといい、「ひとごとじゃない」「協力する」と前向きな言葉が相次ぎ、リネン業界で一致団結して支える意味で「ある種オール沖縄で支援する」と意気込む声も上がった。