工夫を凝らしたディスプレイも楽しめる

 全国から焼き物ファンが集まる第120回有田陶器市(有田商工会議所主催)が29日〜5月5日、有田町で開かれる。JR上有田駅から有田駅までを中心に400以上の焼き物店が並び、普段使いから高級品まで多様な器がそろう。有田駅前の通りを歩行者天国にするなど新たな試みもあり、多くの人でにぎわいそうだ。(青木宏文)

【イベント・展示会】 名物「朝がゆ」、ガンダムカード配布 朝がゆで提供される干支入り碗

 皿山商店会の名物企画「朝がゆ」には連日早朝から行列ができる。干支(えと)の辰(たつ)を描いたオリジナルの碗(わん)が付いて600円。札の辻交差点近くの有田館前で毎日午前6時から、1日300杯販売する。
 佐賀銀行有田支店・有田町東出張所前広場では、素焼きの皿を頭に乗せてゴールを目指す「皿かぶり競走」が催される。29日は国民スポーツ大会の関連競技として午前10時、正午、午後2時の3回行い、他の期間中は午後2時に実施する。参加無料。

有田館で配布するガンダムのマンホールカード

 29日はメイン通りで楽団のパレードがあり、佐賀県警音楽隊が午前9時半、スコットランドの伝統楽器バグパイプのバンドは同10時40分に泉山ロータリーを出発する。
 アリタセラ(有田焼卸団地)は、お楽しみ抽選会を開く。1万円分の買い物で1回くじを引くことができ、旅行券や各店舗で使える商品券が当たる。今年は陶器市120回を記念し、商品券の当たりを120本多く用意している。
 全国から200点の応募があった有田国際陶磁展。美術工芸品・オブジェ部門の入選作を九州陶磁文化館、産業陶磁器部門の全出品作を県陶磁器工業協同組合で29日から5月6日まで展示する。
 有田町は昨年秋、人気アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターをデザインしたマンホールのふたを2カ所に設置した。そのうちトンバイ塀通りにあるガンダムを描いたマンホールカードを、有田館で29日午前9時から配布する。1万枚用意している。

【グルメ】 有田駅前 歩行者天国にキッチンカー
     アリタセラ 数量限定の「トンバイ羊羹」 アリタセラで限定販売されるトンバイ羊羹

 陶器市では焼き物以外の工芸品も売られ、思う存分に買い物を楽しめる。飲食店も多数出店し、さまざまな食を味わえるのも魅力だ。
 今年は有田駅前の通りが初めて歩行者天国になり、キッチンカー10台以上が並ぶ。佐賀銀行有田支店・有田町東出張所に設ける大型休憩所には、地元の飲食店が出店する。トンバイ塀通りにはカフェが並び、有田焼の文様を描いた紙コップで飲み物を提供する。
 アリタセラ(有田焼卸団地)では、常設の飲食店の他に屋台が20軒ほど並ぶ。イベント時に数量限定で販売する「トンバイ羊羹」は毎年すぐに売り切れるほどの人気がある。
 黒牟田応法地区の窯元では、陶彩弁当が味わえる。各窯元の器に料亭の料理を盛り付け、器代込みで2800円。事前予約が必要で、電話番号は梶貞窯=0955(42)3532、伯父山=同(43)3141、瑞峯窯=同(43)2241。

【Web陶器市】 新作や割引商品3万点以上出品 有田工業高2年の江原未来さんがデザインした有田陶器市のポスター

 新型コロナ禍をきっかけに2020年に始まった「Web有田陶器市」は今年で5回目。町内の商社や窯元など90店が3万点以上を出品し、新作や割引商品を用意。27日にオープンし、5月6日24時まで販売する。

▶Web有田陶器市はこちら

【アクセス】

 JR九州は期間中に臨時列車を運行する。特急、快速、普通を1日16〜20本走らせる。ほかに特急の一部が通常は停車しない上有田駅に止まる。
 駐車場は公営、私営合わせて8300台以上。公営(12カ所、約4300台)の駐車料金は1000円になる。町内を巡る無料のシャトルバスを運行する。
 問い合わせは有田商工会議所、電話0955(42)4111。