弓削田健介さんの作曲で合唱曲を作詞した藤原ジュンさん=小城市の晴田小

 小城市の晴田小に勤務する詩人の藤原ジュンさん(50)=佐賀市=が、合唱曲を作詩した。「エール〜いってらっしゃい6年生〜」と「レインボー〜いらっしゃい1年生〜」の2曲で、佐賀大出身の合唱作曲家・弓削田健介さん(41)とコラボレーションした。

 藤原さんは全国コスモス文学賞大賞など受賞を重ね、詩集『生花体』(文芸社)などを出版してきた。作詩は桜岡小(小城市)で6年の特別支援学級担任をしていた昨年度、弓削田さんから打診を受けた。

 弓削田さんは以前から藤原さんのファンだという。学校現場から6年生を送る歌の作曲をリクエストされていたこともあり、「子どもたちとの生活の中で生まれる詩に興味があった」と藤原さんに依頼した。

 2月に完成した「エール−」には、卒業生を見送る優しい目線が表れている。同月に出来た「レインボー−」には、入学に胸を躍らせる子どもと不安を感じている子ども、双方へのメッセージを込めた。藤原さんは「6年生への歌は子どもたちを思い出してぐっとくるし、1年生への歌は歌っている場面が目に浮かぶ」と笑顔を見せる。

 近年は仕事が忙しく詩の発表から離れていたが、作りためた作品を近く発表したいと考えている。「作詩の依頼で再開に向け、背中を押してもらった。誰が読んでもどこかでピンとくる言葉を選び、詩を広めていきたい」と力を込めていた。(花木芙美)