メタバース空間で半導体の回路をつくるゲームに興じる高校生ら=佐賀市の佐賀城本丸歴史館

 高校生向けのデジタル人材や起業家育成プログラム「SEIRENKATA」のキックオフイベントが、18日に佐賀市の佐賀城本丸歴史館で開かれた。受講する高校生約60人が参加し、今月から始まる「部活動」への士気を高めた。

 イベントでは、県内企業の社員や佐賀大の大学院生など学びを支援する「伴走コーチ」8人が紹介され、受講生らはメタバース(インターネット上の仮想空間)で、半導体の回路を作るゲームの腕を競って歓声を上げていた。ミニ講座では有明工業高等専門学校(福岡県大牟田市)の石川洋平教授が、半導体を仕組みを説明し、「楽しんで主体的に動き、褒め合って学んで」と高校生を鼓舞した。

 イベント前には、同プログラムに関する県教育委員会などと高等教育機関、NPO法人との連携協定式が開かれた。環境充実のため企業版ふるさと納税で寄付をした企業への感謝状贈呈も行われた。

 同プログラムは県教育委員会や県内企業、高等教育機関が連携して、放課後の「部活動」として実施する。半導体やAIなどの最先端のデジタル技術を学び、佐賀の歴史や文化を知る。県内19校の高校1年生100人が11月まで週に1回学び、12月にはDI選手権大会を開催する予定。

 参加した佐賀工業高1年の土井天翔さんは「プログラミングを学んでゲームプログラマーになりたい」と笑顔を見せていた。(花木芙美)