城寿克労働局長

 4月に佐賀労働局長に着任した城寿克氏(58)。人手不足や物価高騰を背景に、賃金向上のための物品・サービスへの価格転嫁が求められている。「国や県の支援策を知ってもらい、改善につなげてもらいたい」と意欲を見せる。

 2015年から3年間、労働基準部長として赴任して以来、佐賀は2度目。当時は、「安心して安全で働ける職場環境を」がキャッチフレーズだったが、「労働局の仕事は激変している」と指摘する。実質賃金が下がっているため、企業には賃金向上が求められている。佐賀県境では、賃金が高い福岡県に職を求める人も多く、近年は熊本県に進出する半導体工場への人材流出も懸念材料だ。

 そのためにも、価格転嫁を促すことも大きな役割の一つ。「企業側も収益が上がらない中、賃金向上を求められる。厳しいと思うが、あらゆる支援策を駆使し、賃金引き上げに寄与する必要がある」と気を引き締める。休日は、妻と共に県内周遊を楽しむ。熊本県出身。(福本真理)