『おしゅしだよ いきゅよ!』

 「全米(シャリ)で大ヒット!!!」帯に書かれているこのキャッチコピー、声に出して読みたい。「シャリ」でお察しのとおり、この本のメインはすしだ。

 「おしゅしだよ いきゅよ!」というひと言から始まる。主人公は、独特な話し方が特徴なマグロの赤身・おしゅし。他にも、残念ないいやつのしゃけ、ノリとフィーリングで生きるたまごなど、個性的なたくさんの仲間が登場する。お茶やセミなど、すしネタ以外のキャラクターも出てくる。常に笑みをたたえている表情や、シャリから足が生えているデザインが愛らしい。キャラクターそれぞれに性格や趣味などの細かい設定があるのも注目だ。中には米国から来た子もおり、おしゅしの交友関係は日本にとどまらない。

 おしゅしたちの日々は、バイトに行ったり、友達とおしゃべりしたりとにぎやかだ。一日のスケジュールも掲載されており、バイトを掛け持ちしたり、休日は起きるのが夕方…とわれわれ人間と同じような生活を送っている。彼らが繰り広げる展開はどれも独特で、読んでいくうちに癖になってくるのが魅力だ。

 SNSやLINEスタンプなどで人気を博し、2023年に10周年を迎えた。本作品は『おしゅしだよ』『おしゅしだよ どうもね!』に続くシリーズ第3作品目となっている。

(KADOKAWA/1100円)

(コンテンツ部・池田知恵)