参加者の質問に答えるヤマザキマリさん(左から2人目)=伊万里市の山元記念病院

 伊万里市の山元記念病院で18日、中学、高校生を対象にした医療体験教室が開かれた。参加者は胃カメラや縫合などの医療行為に挑戦したほか、漫画家・随筆家のヤマザキマリさんに進路や学校生活の悩みを相談し、体験と対話を通して自身の将来について考えた。

 地域医療の担い手育成を目的に毎年開かれ、県内の中高生40人が参加した。参加者は六つのグループに分かれて「胃カメラ」「腹腔鏡(ふくくうきょう)」「結紮(けっさつ)・縫合」などを疑似体験。山元謙太郎理事長と交流があり、昨年に続いて特別講師を務めたヤマザキさんとの対話に臨んだ。

 参加者の「夢が見つからない」「人間関係に悩んでいる」といった相談に、人生経験が豊富なヤマザキさんは「一つの考えにしがみつかないで」などとアドバイス。失敗や挫折を怖がらずに経験を積むよう求め、「旅をしたり、映画を見たり、音楽を聴いたりして想像力を育てることも大事」と伝えた。

 武雄高2年の中山蒼衣さんは「どんな質問にもすぐに答えてくれるのがすごいと思った。自分と異なる考えを最初から否定せずに受け入れてみて、と言われたことが胸に残った」と話した。(青木宏文)