兵庫県との試合で得点を決め、喜ぶサガウィンクロウズの選手たち=有田町文化体育館

 10月の全国障害者スポーツ大会(全障スポ)で地元優勝を目指す佐賀県の知的障害者男子バレーボールクラブチーム「SAGA WINCROWS(サガウィンクロウズ)」が18、19の両日、初めて大会を自主開催した。1勝1敗の2位と県外の強豪相手に健闘し、全障スポに向けて手応えを感じさせた。

 チームは全障スポ出場を目指して2019年に発足。県内企業などの支援を受けて昨年12月にクラブチームとなり、資金援助を受けて活動する全国初の知的障害者バレーボールチームとなった。

 大会は主将の向門直人選手(21)らが勤める武雄市の工場を運営する九州製鋼(福岡県)やグループ企業の清本鉄工(宮崎県)、メリーランド(武雄市)などが後援。有田町文化体育館で開催され、サガウィンクロウズと昨年の全障スポ3位の鹿児島県、関西の強豪・兵庫県の3チームが総当たりで対戦した。

 サガウィンクロウズは、鹿児島戦でエースの川﨑翼選手(23)や福田恵三選手(20)らが活躍し、2−0で勝利。兵庫には1−2で逆転負けを喫したが、鋭いスパイクで得点を重ねる場面もあった。

 19日は県バレーボール協会の審判員や競技役員が、本番さながらに試合を運営した。審判を務めた江頭辰弥さん(48)は「選手たちの真剣な気持ちが伝わってきて、緊張感を持って笛を吹くことができた」と全障スポへの意識を高めていた。

 全障スポのバレーボール競技は10月26、27日、聴覚、知的、精神の3部門で開かれる。観戦は無料。(蒲原隆寛)