日商簿記検定初級の合格証を手にする生徒たち=佐賀市の成章中

 成章中(佐賀市)の3年生5人が、日商簿記検定の初級に合格した。3級に次ぐ難易度の初級は入門級の位置付けで、佐賀商工会議所によると中学生が合格するのは珍しいという。出前授業をきっかけに交流する佐賀商業高の教諭と生徒も学習をサポートした。

 合格したのは江口奈々美さん、川下りんかさん、末次心音さん、林真央さん、松岡佑樹さんの5人。佐賀商業高教諭の新谷幸輝さんが今年2月に行った出前授業をきっかけに会計に関心を持ち、3月中旬から検定の勉強を始めた。

 テキストや解説動画での自主学習に加え、佐賀商業高で勉強会も開かれた。同校簿記部顧問の兼武順一さんと部員が、試験対策のプリントを作成して指導に当たった。1日1時間は必ず検定の勉強をすると決め、こつこつと取り組んだ江口さんは「学業との両立が大変だった」と振り返る。

 試験は100点満点で簿記の基本用語や複式簿記の仕組みが問われた。ネット方式で繰り返し受検でき、5人は3月中旬から4月下旬にかけ、それぞれ1〜2回目で合格した。川下さんは2度目の試験で合格ラインの70点を大きく上回る90点台を獲得し、「心の底からうれしく、努力してよかった」と話した。

 5人は3級合格を目指して勉強を続けている。兼武さんは「簿記や会計について学ぶことで財務諸表を読み解く力が付き、投資や株の運用に役立つ。進路選択の幅も広がる」と中学生からの学習の効果に期待する。(秋根紗香)