かなや漢字など約40点の作品が並ぶ葉がくれ書会の展覧会=佐賀市の県立美術館

 70年の歴史を持つ書道研究会「葉がくれ書会」の展覧会が、佐賀市の県立美術館で開かれている。互いに批評し研さんし合う県内の書家15人が、かなや漢字など約40点の作品を並べて成果を見せる。26日まで。

 元高校教諭で今年から書道教室を始めた池田啓二さん(61)=伊万里市=の「史記」は、北魏時代の造像記の書体を取り入れた字の素朴な荒々しさが目を引く。日展会友の志岐雲峰(うんぽう)さん(73)=神埼市=は昨年日展に出品した調和体「村の郵便配達」を、2メートル70センチの布にしたためた。「いつも素材選びに苦心しながら、バランス良く仕上げている」とこだわりを語る。

 同会は1954年、中林梧竹に師事した大坪柊軒(しゅうけん)さんらが梧竹研究会として立ち上げた。毎月当番が提出した課題に全員が取り組み批評をし合う会は、今月で842回を数える。

 創立当初から参加する佐賀市の米倉基峰さん(91)は「上下関係なく、お互いを講評し合うのが葉がくれ書会。今年も個性あふれる作品がそろった」と話していた。(花木芙美)