活動を再開した「ビクトリークロウ」の選手たち=多久市野球場

 神埼市を拠点とする社会人硬式野球チーム「ビクトリークロウ」が、数年の休止期間を経てこのほど活動を再開した。高校や大学を卒業した後も競技を続けたい愛好者ためのチームを掲げ、昨夏の甲子園に出場した鳥栖工業高の卒業生も加わった。

 県内2番目の社会人硬式野球チームとして2008年に発足した。新日鉄君津でプレー経験があり、軟式野球を引退した中学3年生が硬式に慣れるための指導を長年続けてきた原亨さん(71)=神埼市=に教わった選手たちが結成。だが家庭を持つなど選手それぞれの環境が変わり、数年前に休止状態になった。

 原さんによると、木製バットなど消耗品の出費が多いことなどが原因で硬式のチーム数は少なく、競技を続けたい選手のためになればと昨年から練習を再開した。原さんの20代前半の教え子が中心で、昨年の鳥栖工業高の主戦・古澤蓮さん(18)も加入した。

 選手兼マネジャーの空閑壮耶さん(24)は「結婚などで上が抜けてもいいように、どんどん下から入ってきてほしい。まず公式戦1勝を目指す」と話す。古澤さんは「甲子園で完全燃焼したが、一度練習に参加し、続けてもいいかなと思った。仕事のリフレッシュになる」と新たなチームでのプレーに意欲を見せていた。(志垣直哉)