解体して三角に折った段ボールを箱内に入れると、強度が高まると説明する堀尾麗華さん(左)=佐賀市の居場所そら

 認定NPO法人「難民を助ける会(AAR Japan)」は15日、親子向けの防災講座を佐賀市で開いた。予期せぬ避難所暮らしを想定し、参加者は事前に作り方を教わらずに段ボールベッド作りに挑戦。限られた物資と知恵を生かす防災対策を学んだ。

 7組22人の親子が参加し、能登半島地震の被災地で支援活動を続けるNPO東京事務局の堀尾麗華さんが講師を務めた。

 2グループに分かれ、参加者は知恵を出し合いながら、ガムテープとはさみを使って段ボールベッドを完成させた。子どもたちは寝転んだり、ジャンプしたりして頑丈さを確かめていた。堀尾さんは「みんなが寝られるベッドを作れたら良いので正解はない」と話し、解体して三角に折り込んだ段ボールを内部に入れて強度を高める方法を紹介した。トイレや防災食づくりにも取り組んだ。

 小中学生の娘と参加した佐賀市の40代女性は「物を無駄にしないようにと考えると難しく、一人じゃ完成できなかったかも」と振り返り、「非常用トイレや生理用品など備蓄の必要性を感じた。何かあったときに、子どもたちが思い出してくれれば」と話した。

 難民を助ける会は、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディング(GCF)で寄付を募り、防災講座を実施している。県内では今回が初めてで、14日は就労継続支援A型事業所でも開いた。(横田千晶)