<診察室から>赤ちゃんの発達 目安で悩まず過程を楽しんで

Saga Shimbun6/7(土)10:00


 最近、乳児健診前に発達チェックの練習を重ねて受診するママの話を聞きます。赤ちゃんの発達は生まれたときに備わっているプログラムをもとに進みます。自然に任せればよく、練習の必要はありません。しかし遅れを指摘されると発達に敏感になり、何とかしてあげたいと練習に励む気持ちはわかります。

 赤ちゃんの発達は、目安通りに進むとは限りません。例えば、寝返りの目安は生後5〜6カ月ですが、早ければ3カ月、遅くて10カ月に見られます。ハイハイの目安は7〜8カ月ごろですが、1歳過ぎてハイハイしても異常だとはいえません。

 赤ちゃんの発達が進むときには、いくつかの兆候が見られます。手足のバタつきや体のひねり、横向きなどの動きが見られれば、寝返りが近づいている証拠です。しかし、寝返りせずにお座りをする子もいます。また、うつぶせ寝の状態で、手を前に出したり、お尻を持ち上げたりといった動きが見られれば、ズリバイに進みます。しかしズリバイせずにハイハイする子もいます。さらにハイハイなしに、つかまり立ちや伝い歩きをすることもあります。このように赤ちゃんの発達の過程は個人差が大きく、順序が変わることもあるのです。

 赤ちゃんを観察していると、いろいろなことが見えてきます。ママが発達の遅れと思うことの原因に、環境が影響していることがあります。ズリバイしないという相談を受け、赤ちゃんを畳の上にうつぶせにしてみました。おもちゃで誘導すると、赤ちゃんがズリバイをし始め、ママを驚かせました。種明かしをすると、ご自宅のカーペットが赤ちゃんの動きを妨げていただけでした。また、フローリングの床がハイハイを邪魔することもあります。

 いつもと異なる環境で遊ばせてみると、違った行動を見せることがあります。目安で悩むより、わが子の発達の過程を楽しんでください。

 (佐賀大学名誉教授、一般社団法人ヘルスサポーターズ・イノベーション理事 佐藤珠美)

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