太平洋戦争を挟む朝ドラ

Saga Shimbun6/16(月)5:30


 NHKの朝ドラを欠かさず見るようになって約20年。その中で太平洋戦争を挟む時代設定は見るのがつらかった。近年では「虎に翼」や「ブギウギ」「カムカムエヴリバディ」がある。現在放送中の「あんぱん」もそう。出征シーンや戦死の報に接する場面はやるせない◆これらは空想ではない。戦時中、現実に起きたことだ。「あんぱん」でよく出てくるせりふのように「何のために生まれて何をして生きるのか」。戦地で死を覚悟した瞬間、そう自問する兵士もいたのではないだろうか◆イスラエルがイランの核関連施設を中心に空爆し、イランが報復。戦争が起きようとしている。周囲が批判しても、後付けで「自分たちの正義」をいくらでも正当化できる。増悪は人の感情を暴走させる。その犠牲になるのは時の権力者ではなく兵士である◆「あんぱん」のモデルとなった漫画家やなせたかしさん原作の人気アニメ「アンパンマン」は、罪を憎んで人を憎まずの精神が貫かれている。顔のアンパンをちぎって分け与える姿は「究極の自己犠牲」とも感じる◆どんな人にも善と悪の心がある。大切なのはバランスだ。暴走しやすい負の感情を抑え、相手を許す心を身につけたい。戦後80年の今年、戦争を描くドラマは平和をどう維持するか、その手段を一人一人に問いかけている。(義)

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