<星旅星めぐり>最も近い恒星
Saga Shimbun6/20(金)10:45
夜空を見上げると無数の星々が輝いています。これらの星々も、実態は太陽のように自分の力で燃えて輝く星ですが、あまりに遠すぎるために小さな輝きに見えています。
全天で太陽系から最も近い恒星は、文献によっては「リジル・ケンタウルス(αCen)」とか「プロキシマ」とされています。一体どちらが正しいのでしょうか? プロキシマの正式な名称は「プロキシマ・ケンタウリ」で、リジル・ケンタウルス(0.0等)を公転する肉眼では見えない11等の小さな伴星です。公転の周期は50万年以上と、とてもゆっくりしており、現在はリジル・ケンタウルスよりもプロキシマの方が少しだけ近くなっています。しかし、約50万年の周期でいずれはリジル・ケンタウルスよりも遠くなります。このため、どちらも最も近い恒星といっても差し支えありません。プロキシマは1915年に発見されており、この命名には「最も近い」という意味があります。最も近いとはいえ、光のスピードでさえ4.3年ものかなたにあります。
2016年、リジル・ケンタウルスに超小型宇宙船を送る計画が、車いすの天才と呼ばれた物理学者ホーキング博士(故人)により発表されました。これは、ブレークスルー・スターショット計画で、31年までの技術開発を目指しており、打ち上げからリジル・ケンタウルスへの到着はさらに20年を要すという夢のような計画です。
リジル・ケンタウルスは、南方に低いために日本の本土からは見ることはできませんが、沖縄以南では、この時期の日没後に地平線上に見ることができます。
文・早水勉(佐賀市星空学習館副館長)
イラスト・橋本章斗(同館)
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