嬉野デザインウィーク2017  魅力どう広げるか論議  


放送作家の小山薫堂さん=嬉野市の和多屋別荘

 ■パネリスト

 

 放送作家・脚本家   小山薫堂さん

 嬉野茶時統括プロデューサー・

    和多屋別荘社長 小原嘉元さん

 旅館大村屋社長    北川健太さん

 茶農家「副島園」   副島仁(ひとし)さん

 224porcelain 辻諭(さとし)さん

 

 ■司会

 ジャパンデザインウィーク総合プロデューサー 川又俊明さん

「誰を呼びたいか」大切 小山さん

 資産価値に気づくべき 小原さん

 外からの目線で壁壊す 北川さん

 温泉と茶ペアリングも 副島さん

 吉田焼の差別化を図る 辻さん

 嬉野市

 郷土愛醸成や人材育成、創造性による地方創生を目指す「嬉野デザインウィーク2017」(11月10〜12日)。トークセッション「嬉野会議」では、放送作家小山薫堂さんと、嬉野茶、旅館、肥前吉田焼を融合し新たな価値を発信するプロジェクト「嬉野茶時」のメンバーが意見交換し、同プロジェクトを評価し今後の展開も語り合った。内容を詳報する。

 北川 「茶時」では昨夏の「嬉野晩夏」に始まり年4回、催しを開いている。

 小原 代表的な企画「嬉野茶寮」は、副島さんら7人の茶農家が栽培からお客さんへの提供まで担う。1300年湧き続ける温泉、500年前から栽培される嬉野茶、400年の歴史をもつ肥前吉田焼、これが嬉野に眠る資産価値。その可能性にもう一度気づき、何をするかを描く必要がある。

 小山 住民が自分の町の魅力に気づいかないケースがよくあるが、嬉野では若い皆さんが気づき、点在する魅力をつないでセンスよくまとめている。気をつけたいのは、「嬉野に誰を呼びたいか」ということ。好きな人は来るが、町の他の人たちがどう思うか。下手をすると反感を買う。

 小原 まさに今、その課題に直面している。しかるべき人に来てほしいが、ターゲットが狭いと産業は潤わない。あと自分も含めて、お茶や温泉、焼き物のことをこの町の人は知らなすぎる。高速のインターを降りた旅行客が、さっきの三つの歴史を感じられない町になっている。みんなでつくらないといけない。

 副島 昨年この企画を始めるまで、自分も旅館や焼き物の知識がなかった。

 辻 吉田焼を伊万里、有田、波佐見と差別化するためにも、温泉や茶などとともに観光資源にするのが大事だと思う。

 北川 女性や外からやってきたメンバーの力も不可欠だった。歴史や縄張りとは関係ない所からの目線で壁を壊した。

 小山 嬉野という名前がいい。土地の持つ何にも代えがたい強みだ。「茶時」の回りの人たちが、「茶時」を目当てに嬉野に来た人たちをどうすくい取るかを考え始めたとき、嬉野は本当に強くなる気がする。

 川又 つまり、他の嬉野市民をどう巻き込むか。

 北川 そこがジレンマ。広くあまねく平等にやってしまうと、どこにでもあるイベントになる。

 小山 決して丸くなる必要はない。とがっていた方がいい。一方で人情派もあるというコントラストが町の魅力になる。ただ、他の人たちへの共感を忘れてはいけない。

 川又 取り組みの中で抱える悩みはないか。

 小原 今はやめるという選択肢はないが、ビジネスではなくイベントだからきついときがある。ゴールややめ時を最初から想定しておいた方がいいか。

 小山 どこか無理しているのかもしれない。年4回ではなく1回でもいいし、大切なのはそれに向かうチームワークや過程。あと、ちょっとかっこよすぎるから、隙をつくった方が他の人も入って来やすい。

 問題は行政が彼らをどう生かすか。利用しながら他の人たちのやる気に火を付けないといけない。こんな人たちがいるだけで本当に貴重。周りの人たちが歓迎し、時には叱咤(しった)しながら、どう一緒にやっていくかをコントロールするのが、行政のポイントだと思う。

 リクエストがある。日本の風呂文化を茶道や華道と同じように捉える「湯道」の道具を作ってくれる人を求めている。風呂で酒を飲むのは危険と言われるが、茶だったらいい。温泉で飲む茶ができるか。

 副島 空間や料理に合う茶のペアリングを提案をしてきたが、温泉と茶のペアリングも面白いと思った。

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