埼玉県内唯一のシャクヤク園として知られる深谷市荒川の「花園芍薬(シャクヤク)園」が開園している。花畑は色鮮やかな大輪が開き、訪れた人たちを喜ばせている。世話する持田源次郎さん(75)は体力的な理由で今季限りでの閉園を決めている。今年で見納めとなるが、足を運んでくれた人に楽しんでもらおうと手入れに精を出す。

 持田さんは親戚が営んでいたシャクヤクの栽培を手伝ったのを機に開園させた。当初は「金を出して花を見に来る人はいない」など、批判的な声もあったという。

 シャクヤクは苗を植えてから3年目ぐらいで花を付け、7〜8年は毎年咲き続ける。だから枯れるのも一緒という。苗を植えてから14年目が一番大変で、株数は減り、花も咲かなくなった。客から「来るんじゃなかった」など、厳しい声が届いた。

 それを糧に、秋になると元気がなくなった株を堀り起こし、土を消毒して違う品種を植え続けてきた。徐々に花畑を広げ品種も増やし、今では約5千平方メートルに約90種、約3千株が植えられている。

 今回28回目の開園で、2日現在で4分咲き。ピンク系の「コーラルシュープリーム」、赤色の「レッドレッドローズ」が最盛期を迎えていた。植え始めてから30年。持田さんは「お客さんが褒めてくれるからやってこられた」と振り返る。

 今年は株も販売するといい、注文を受け付けている。価格は800〜3500円(税込み)。切り花も売っている。持田さんは「長い間お世話になり、ありがとうございました」と感謝し、「ご覧になっていただき、お好みの株があったらお買い求めください」と話している。

 開園は、天候にもよるが15〜20日ごろまで。午前9時から午後6時。入園料は高校生以上400円、小中学生300円。問い合わせは、同園(電話048・584・0346)へ。