埼玉県戸田市の病院で入院していた男性が死亡した事件で、蕨署は26日、殺人の容疑で、戸田市新曽南3丁目、無職の男(88)を逮捕した。逮捕容疑は4日午前0時ごろ、戸田市新曽南の病院で、同じ部屋に入院していた無職男性=当時(72)=の顔などを椅子で数回殴り、骨折や出血に伴う窒息などで死亡させた疑い。

 同署によると、男性は5月下旬から、男は6月上旬から4人部屋の同じ病室に入院していた。防犯カメラの映像などから男が特定された。男は「自分は椅子で殴って殺してはいません」と容疑を否認しているという。椅子は院内のロビーに設置してあったものとみられている。

 同署で動機などを詳しく調べている。

■男性はあおむけ、看護師は巡回中だった(以下、初報記事)

 4日午前2時45分ごろ、戸田市新曽南3丁目の精神科病院「戸田病院」の女性看護師から「患者の呼吸が停止している」と蕨署に電話で届け出があった。同署員が駆け付けると、入院していた桶川市の無職男性(72)が病室内で心肺停止状態でいるのが発見され、その後、死亡が確認された。

 同署によると男性は5月後半から同病院に入院しており、同署員が到着した際、顔には殴られたような痕が複数箇所あったという。病室はカーテンで仕切られた4人部屋で、入り口は施錠されていなかった。同日午前0時過ぎ、男性看護師が病棟内を巡回していた際にうめき声が聞こえたため、病室内を確認すると、ベッドの上であおむけで顔面から血を流している男性を発見した。

 同署で患者同士で何らかのトラブルがあったことも視野に、男性の死亡原因などを調べている。