発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が、全国各地から高濃度で検出されている問題で、国が都道府県などに対し状況報告を要請したことを受けて、県企業局は27日、PFASの一種であるPFOSとPFOAについて、県営浄水場の原水、浄水などで「国の定める暫定目標値の超過なし」とする検査結果を発表した。

 水道管理課によると、検査地点は県営5浄水場の原水、浄水のほか給水地点14カ所で、浄水場は2020年度から、給水地点は22年度から、1地点につき3カ月に1回検査を継続。本年5月現在まで、いずれの地点も国の定める暫定目標値(PFOSとPFOAの合算値で、1リットル当たり50ナノグラム以下)を超過しなかった。

 一方、環境部水環境課によると21年、22年度の測定では川越市内を流れる不老川で1リットル当たり50ナノグラムを超過した地点もあり、23年度は不老川の上流である久保川の2地点で超過した。どちらの河川からも直接取水を行っていないため、県営浄水場への影響はないという。

 担当者は「(超過検出した)原因の特定には至っていない」とし、本年度に原因調査を行うとしている。