埼玉県川口市とドラッグストアチェーン大手のウエルシア薬局(東京都千代田区)は28日、地域福祉の推進等に関する連携協定を締結した。移動販売車による、食品や医薬品などの販売を行うほか、移動販売車に搭載したモニターカメラを通じ、店舗薬剤師や管理栄養士など専門職によるオンライン健康相談などを行う。

 地理的な状況や高齢者の運転免許返納などで、増えつつある、いわゆる「買い物難民」解消を目指す協定。移動販売車が地域を訪問し、食品、医薬品等の販売、オンライン健康相談、ドライバーによる高齢者見守りなどを行う。

 ウエルシア薬局によると市内14店舗のうち「ウエルシア川口朝日5丁目店」を拠点に、9月をめどに冷蔵、冷凍機能を持つ移動販売車「うえたん号」を稼働させる。市と協議してルートを決め、まずは神根、新郷、安行、南平地区で実施する。移動販売車には600品程の商品が乗り、商品価格は店舗と同じ。レジではポイントも付与され、公共料金の支払いも可能という。

 協定締結式が同日、川口市役所で行われ、奥ノ木信夫市長は「市街地以外では不便を感じる地域もあり、小まめに回っていただけると助かる」と協定を歓迎。ウエルシア薬局首都圏支社の江平知広支社長は「住民の健康増進、住みやすい街の実現に向け相互に協力したい」と話した。