歩いていてアンテナショップに行き当たると、ついつい吸い込まれてしまう。あっと驚くようなローカルフードやお酒に出会え、旅行に行けない私を遠くへ連れて行ってくれるからだ。店内を一周すれば、いつの間にかカゴの中がいっぱいになっていて、その日のおやつや晩ご飯のおかずに困ることはない。散歩の達人本誌や、「1000円で旅するアンテナショップ」の連載でご紹介したお店をまとめてみました。

日本橋ふくしま館 MIDETTE

福島のあらゆる名産品を集めました

圧巻の日本酒コーナーで、名物の赤べこを持つ館長の小山勉さん。「いろんな酒蔵の酒をまずは一度飲まんしょ!」
圧巻の日本酒コーナーで、名物の赤べこを持つ館長の小山勉さん。「いろんな酒蔵の酒をまずは一度飲まんしょ!」

取り扱う商品はざっと2500種類以上。界隈に数あるアンテナショップでも随一の品揃えを誇るのが、『日本橋ふくしま館MIDETTE(ミデッテ)』だ。果物や野菜などの生鮮品から、肉や魚の冷凍食品、加工品、菓子類、民芸品などが幅広く揃い、福島の魅力が玉手箱のように詰まっている。 特に目を引くのは、「500種類以上扱っています」と館長の小山勉さんが自信を持ってオススメする日本酒コーナー。さすが、全国新酒鑑評会における金賞受賞の銘柄数が、全国で7年連続一位を獲得した日本酒県である。通常は地酒専門店にしかない「宮泉」や「奈良萬」、「廣戸川」、「会津娘」などの人気銘柄も、普通に買えてしまうのが日本酒好きにはたまらない。そんな福島の美酒を、特産の馬刺しや干物、漬物などをつまみにぜひ一献。おいしい福島を、丸ごと宅飲みで体感していただきたい。

福島は赤身の馬刺しも有名。好みのニンニク味噌をつけて味わいたい。
福島は赤身の馬刺しも有名。好みのニンニク味噌をつけて味わいたい。
産地直送の新鮮な野菜などの生鮮品も充実。地元の味を普段の料理に取り入れたい。
産地直送の新鮮な野菜などの生鮮品も充実。地元の味を普段の料理に取り入れたい。

『日本橋ふくしま館 MIDETTE 』店舗詳細

日本橋ふくしま館 MIDETTE (ミデッテ)
住所:東京都中央区日本橋室町4-3-16 柳屋太洋ビル1F/営業時間:10:30〜20:00(土・日・祝は11:00〜18:00、飲食コーナーは〜19:00)/定休日:無/アクセス:JR総武快速線新日本橋駅から徒歩1分

日本橋とやま館

富山の豊富な海の幸が待っています

美しい店内には、伝統工芸品も多数並ぶ。
美しい店内には、伝統工芸品も多数並ぶ。

県内選りすぐりの富山の美味や工芸品が揃う。なかでも、新鮮なうちに急速冷凍したホタルイカや魚の昆布締めなどの旬の魚介類に目を奪われる。「これからの季節はシロエビが一押しですね。刺し身や昆布締めは最高のつまみになります」とマネージャーの重田大輔さん。他にも、鯛をかたどったものや、昆布を使った多彩なかまぼこ、黒作りに沖漬けなどの珍味、有名なます寿しなど、海の幸がとにかく豊富。さらに、味だけではなくパッケージにもこだわりがあり、思わず手に取りたくなるデザイン性に優れた商品が多数。地元富山に伝わる〝おすそわけ文化〞からヒントを得たという、珍味や菓子類などを詰めた「幸のこわけ」シリーズは、見た目もかわいらしく、少量の食べ切りサイズなのでちょっとしたプレゼントにも。富山の魅力を余すことなく買って帰りたい。

まとめ買いしたい「幸のこわけ」シリーズ。
まとめ買いしたい「幸のこわけ」シリーズ。
伝統の高岡銅器の鏧子(けいす)の横に立つマネージャーの小林利恵子さん。「いい音色がするのでぜひ体験を」
伝統の高岡銅器の鏧子(けいす)の横に立つマネージャーの小林利恵子さん。「いい音色がするのでぜひ体験を」
地元では婚礼の引き出物として親しまれている鯛の細工かまぼこ。
地元では婚礼の引き出物として親しまれている鯛の細工かまぼこ。
地酒が飲める『トヤマバー』。カウンター後方の壁は立山連峰がモチーフ。
地酒が飲める『トヤマバー』。カウンター後方の壁は立山連峰がモチーフ。

『日本橋とやま館』店舗詳細

日本橋とやま館
住所:東京都中央区日本橋室町1-2-6 日本橋大栄ビル1F/営業時間:ショップフロアは10:30〜19:30・バーラウンジは11:00〜21:00/定休日:無/アクセス:地下鉄銀座線・半蔵門線三越前駅からすぐ

ここ滋賀

知られざる隠れた名産品がいっぱい

雑貨や工芸品が入り口付近に並ぶ1階マーケット。
雑貨や工芸品が入り口付近に並ぶ1階マーケット。

近江商人と深い関わりを持つ日本橋に、満を持して2017年にオープン。意外と知られていない滋賀の名産品がずらりと並ぶ。「滋賀は控えめな人が多いので(笑)。じわじわと良さがわかってくるはずです」と話す主幹の柿町宜孝さん。鮒寿しをはじめとする発酵食品、数々の名酒に琵琶湖の魚、近江牛の生ハムや牛すじ煮、赤こんにゃく、丁字ふ、近江茶、うゐろ餅など、興味が引かれる商品が揃う。酒や食品も充実しているが、特筆すべきは地元の若い作家が作ったという器や、美しい色合いの麻製のストール、浜ちりめんシルクなど、機能性に優れた良質な雑貨類が豊富なところだ。お出かけに活用できる帆布バッグもぜひ手に取ってほしい。また、1階には地酒バー、2階にはレストランが併設されており、日本橋から滋賀のおいしいものを、めいっぱい発信している。

発酵食品や調味料なども充実。
発酵食品や調味料なども充実。
地酒「喜楽長」を手にするスタッフの太田景子さん。「滋味深い名酒が多数あります」
地酒「喜楽長」を手にするスタッフの太田景子さん。「滋味深い名酒が多数あります」
最上階には日本橋が眺められるテラス席も。天気のいい日はここでゆっくり飲食を楽しみたい。
最上階には日本橋が眺められるテラス席も。天気のいい日はここでゆっくり飲食を楽しみたい。

『ここ滋賀』店舗詳細

ここ滋賀
住所:東京都中央区日本橋2-7-1/営業時間:ショップ、地酒バーともに11:00〜20:00/定休日:無/アクセス:地下鉄日本橋駅からすぐ

銀座わしたショップ本店

アンテナショップの古参。銀座の真ん中にある沖縄!

泡盛がこんなにたくさん揃ってるの!?
泡盛がこんなにたくさん揃ってるの!?

銀座、有楽町周辺はアンテナショップの激戦区。有楽町駅からすぐの場所にある『銀座わしたショップ本店』は、その中でも古参組だ。フロアも広く品揃え抜群。地元メーカーの菓子パン、ここでしか扱っていない泡盛などもあり、どっぷり沖縄気分に浸れる。

沖縄の野菜やフルーツも売っていて、スタッフに聞くと調理法や食べ方を教えてくれるので、知らない食材があれば、ぜひチャレンジを。

1階は主に食料品、地下1階は泡盛などのお酒と三線や、やちむんの器などの民芸品の売り場
1階は主に食料品、地下1階は泡盛などのお酒と三線や、やちむんの器などの民芸品の売り場
どれも美味しかったが、右上のナーベラー(へちま)をカレーに入れたのがトロトロでお酒が進んだ
どれも美味しかったが、右上のナーベラー(へちま)をカレーに入れたのがトロトロでお酒が進んだ

銀座わしたショップ本店
住所:東京都中央区銀座1-3-9 マルイト銀座ビル1F・B1F/営業時間:10:30〜20:00(パーラーは〜19:00LO)/定休日:無/アクセス:JR有楽町駅から徒歩4分、地下鉄有楽町線有楽町駅から徒歩すぐ

日比谷しまね館

酒どころ島根の日本酒を呑み比べ

呑み&味比べセット(赤) 1500円。
呑み&味比べセット(赤) 1500円。

『銀座わしたショップ本店』から少し歩いた場所には、日比谷シャンテにある『日比谷しまね館』がある。品揃えも素晴らしいが特筆すべきは、日本酒の試飲やデザートが食べられるカフェスペース“ご縁カフェ”があるところ。酒どころであり海産物の美味しい島根県の良さを伝えるべく、「いいの?」と聞きたくなるくらいお得なメニューが並んでいるのだ。

買い物が終わったら、ひと休み。島根の魅力に心を癒やされそう。

洗練された雰囲気の外観。
洗練された雰囲気の外観。
一番気に入ったのは、のどぐろ丼のネタ12枚入り1296円。ほかほかご飯に海苔をちぎり入れて、盛り付けよう。
一番気に入ったのは、のどぐろ丼のネタ12枚入り1296円。ほかほかご飯に海苔をちぎり入れて、盛り付けよう。

日比谷しまね館
住所:東京都千代田区有楽町1-2-2 日比谷シャンテ地下1階/営業時間:11:00〜20:00/定休日:日比谷シャンテの休業日に準ずる/アクセス:地下鉄日比谷駅から徒歩2分、JR・地下鉄有楽町駅から徒歩6分

いわて銀河プラザ

くるみ味のする岩手の海の幸、山の幸とお酒

わんこきょうだいのカップ酒も!
わんこきょうだいのカップ酒も!

銀座、有楽町近辺だと、東銀座駅すぐの『いわて銀河プラザ』もおすすめ。生鮮食品が多く、お肉、お魚があり、それに合う酒もある。なにを隠そう岩手は米どころ、水どころ、酒どころの三拍子揃った県で、日本酒好きにはたまらないのだ。

岩手出身のスタッフさんが、「岩手のおじいちゃん、おばあちゃんは美味しいものを食べると、『くるみ味がする』って言うんです」と話してくれた。そう、『いわて銀河プラザ』は、くるみ味のグルメだらけなのである。

海の幸のホヤ、森のレバ刺しこと、山の幸の天然あみたけで晩酌もオツなもの。
海の幸のホヤ、森のレバ刺しこと、山の幸の天然あみたけで晩酌もオツなもの。
南部せんべいだけで60種類以上の品揃えを誇る。チーズ味などのおつまみ系から、チョコのかかったスイーツ系など、味わいも幅広い。
南部せんべいだけで60種類以上の品揃えを誇る。チーズ味などのおつまみ系から、チョコのかかったスイーツ系など、味わいも幅広い。

いわて銀河プラザ
住所:東京都中央区銀座5丁目15-1 南海東京ビル1F/営業時間:10:30〜19:00(月末最終日は〜17:00) ※変更あり/定休日:無

宮城ふるさとプラザ

出身者垂涎の三角定義あぶらあげを狙え

1階に物産コーナー、2階には観光案内カウンターと牛たんが食べられるレストランがある。入ってすぐの場所に牛たん弁当が構えている。
1階に物産コーナー、2階には観光案内カウンターと牛たんが食べられるレストランがある。入ってすぐの場所に牛たん弁当が構えている。

東北エリアのアンテナショップなら、池袋にある『宮城ふるさとプラザ』もはずせない。県産の海産物、名物牛タン、練りものなどが揃っていて、県出身者や近隣住民は、ふらりと訪れて晩ご飯のおかずを買っていくのだという。

かまぼこは小ぶりサイズを1個から買え、チーズ、燻製、玉子入りなど様々なタイプがあり、選ぶところから楽しい。店内の商品は日によって入荷状況も違うが、三角定義あぶらあげを見かけたら、ぜひとも買うべし。カブリとかぶりついたら最後、あっという間に食べ終わってしまう味わいなのだ。

あれもこれもと買ってしまって、晩ご飯のおかずが決まる。
あれもこれもと買ってしまって、晩ご飯のおかずが決まる。
三角定義あぶらあげ600円、ジャンボサイズにひるまず買うべし。
三角定義あぶらあげ600円、ジャンボサイズにひるまず買うべし。

宮城ふるさとプラザ
住所:東京都豊島区東池袋1丁目2番2号 東池ビル1・2階/営業時間:1F 物販コーナー11:00〜20:00/2F 飲食コーナー11:00〜22:00 ※変更あり
/定休日:年末年始/アクセス:JR・私鉄・地下鉄池袋駅東口から徒歩2分

三重テラス

牛乳と餃子の未知との遭遇

新味覚の餃子891円 、ニンニクダレ51円、 大内山牛乳170円。
新味覚の餃子891円 、ニンニクダレ51円、 大内山牛乳170円。

アンテナショップに行くとその県のイメージが少し変わってしまうことがある。私にとっては『三重テラス』がそうだった。知らない名物が次々と繰り出され、最後に地元で愛されている餃子と地元産牛乳という摩訶不思議な組み合わせに出会ったのだ。

とにかく体験すると、その裏側にある県民性や特産品の素晴らしさを知れる。この日から私は三重県といえば、餃子と牛乳のイメージになってしまったのは言うまでもない。

 

約1300アイテムを揃えていて、金曜日は限定品が入荷する。
約1300アイテムを揃えていて、金曜日は限定品が入荷する。
もちろん、伊勢うどんも。
もちろん、伊勢うどんも。

三重テラス
住所:東京都中央区日本橋室町2-4-1 浮世小路千疋屋ビル「YUITO ANNEX」1F・2F/営業時間:物販10:00〜20:00、レストラン11:00〜21:00(アルコール含むラストオーダー 20:00)/定休日:無/アクセス:地下鉄三越前駅、JR新日本橋駅より直結、JR神田駅より徒歩8分

ローカルフードを食べるだけで元気になるのは、旅行気分に浸れるだけではなく、その土地から少しパワーをもらったような気になるから。アンテナショップで買ったものをつまみながら、「少し落ち着いたら、現地に行こうね」なんて旅行計画を立てるのも楽しいかもしれない。

取材・文=山内聖子、福井 晶 撮影=山出高士、福井 晶