下町風景の中や川沿いを走る東武・地下鉄・JRなど、多様な列車に出合えるのが北千住。 視点や時間帯を少し変えることで、いつもの走行風景が、心動かす鉄道ビューに生まれ変わるのだ。

赤羽から荒川を下った先にあるのが、北千住の虹の広場だ。見上げれば、5本のトラス鉄橋が。鉄橋の各線路はターミナル駅の北千住とつながっており、JR・地下鉄・私鉄と幅広い鉄道会社の車両が疾走。東武スカイツリーライン の鉄橋に荒川放水路橋梁と記されているのは、橋の架かっている辺りは昔荒川本流ではなく、水害対策で開削した荒川放水路だったから。橋の下にはブルーシートハウスが見え、その上をブルーのスペーシアが走るのも、実に北千住な風景。

東稲荷大明神前の踏切も、東武スカイツリーラインのビューポイント。祠の奥に踏切と鉄道という珍しい風景を見ることができるが、なぜここにお稲荷さん? 玉垣には東武鐵道株式會社と書かれ、脇には稲荷再建の記念碑も。ひょっとしたら、伊勢崎線を敷設した場所にもとの鎮座地があり、線路開通後に少し場所をずらし、新たに祠を建てたのかもしれない。

祠から北西へ10分歩くと、大踏切通りに出る。踏切2つ連なる“開かずの踏切”だけれど、鉄道を愛(め)でるには絶好の場所。斜めに上り下りする地下鉄日比谷線、高架を走るつくばエクスプレスと、各線高低差もあるため、一度に多くの車両を視界に収めることができるのだ。

虹の広場近くの荒川土手

ビンテージ感漂う白い双子橋

つくばエクスプレスや東武スカイツリーラインの複々線など計5本の鉄橋が並び、4路線もの列車を眺望できる。特に1970年代に架けられた東武の荒川放水路橋梁のトラス橋は、レトロで美しい。複々線の間隔がやや広く、橋の隙間があるため、下から見る列車も迫力。

●JR・私鉄・地下鉄・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩12分。東京都足立区千住5

東稲荷大明神

写真を撮るなら赤の競演を狙え!

東武スカイツリーライン牛田駅西側の、踏切の際に鎮座。赤い幟と祠の赤い屋根がシンボリックで、赤い車両の特急〔りょうもう〕と撮影すると、素敵な鉄道写真に。神社脇には東稲荷再建記念碑があり、昭和八年二月という再建時の年月が。

●東武スカイツリーライン牛田駅・京成本線京成関屋駅から徒歩1分。東京都足立区千住曙町1

大踏切通り

前後上下で鉄道が百花繚乱(りょうらん)

東武スカイツリーライン、常磐線が通過するため、踏切を2つも設置。踏切の東から見ると、日比谷線、つくばエクスプレスを含む、最大4路線を見ることができる。あえて踏切と踏切の間の“中州”に留まれば、車両が自分に迫ってくるようなアングルも!

●JR・私鉄・地下鉄・つくばエクスプレス北千住駅から徒歩5分。東京都足立区千住東1

取材・文=鈴木健太 撮影=加藤昌人
『散歩の達人』2021年6月号より