ローカルうどん筆頭といえば讃岐ですが、花のお江戸東京には、全国のうどんが集結。秋田の稲庭うどん、大阪のかすうどん、山梨の吉田うどん、長野のおしぼり汁うどんがいただける4店をピックアップしました。製麺方法も出汁も、トッピングも食べ方もガラリと異なる地方伝統のうどんを、ずずずっと食べ比べてみましょう!

まろやかな汁と なめらかさにゾッコン『稲庭うどん 七蔵』[新橋]

稲庭うどん小サイズ950円、ミニ丼セット1250円。うどんは中・大サイズあり。丼の一番人気は、バラチラシで他にマグロ漬け丼、サーモンとイクラ丼など8種から選べる。
稲庭うどん小サイズ950円、ミニ丼セット1250円。うどんは中・大サイズあり。丼の一番人気は、バラチラシで他にマグロ漬け丼、サーモンとイクラ丼など8種から選べる。

店主の葛西剛男さんは、旅先の田沢湖で食べたうどんにほれ込み、「天ぷら屋でしたが、うどん専門店になっちゃった」と笑う。稲庭町『後文』製のうどんはツヤツヤで、食せば舌触りツルリ。「秋田じゃすっきり出汁だけど、東京らしく」と、つけ汁はカモと鶏がベース。そこに、かつお節、昆布、ゴマなどを加え、まろやかなコクに仕上げる。秋はなめこ、正月からフキノトウを入れ、季節の香りもまとう。温麺も評判。

間口は狭いが店内は広々。
間口は狭いが店内は広々。
葛西さん。
葛西さん。

『稲庭うどん 七蔵』店舗詳細

稲庭うどん 七蔵
住所:東京都港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館2F/営業時間:11:00〜14:30LO/定休日:土・日・祝/アクセス:JR・地下鉄・ゆりかもめ新橋駅から徒歩2分

とろける牛脂の旨味とくと味わえ!『浪花かすうどん むねひろ』[三田]

かすうどん750円。風味が増す油かすダブル250円もアリ。
かすうどん750円。風味が増す油かすダブル250円もアリ。

もとはかすうどんを知らなかった店主夫婦。ひとたび食したとき、その独特の味わいに衝撃を受けたという。出汁は関西のうどんつゆに寄せ、かつお節を多めに使用。本来は薄口醤油を使うところを濃口醤油に変え、東京の人々の口にも合うようにカスタマイズした。口にすると、油かすから溶け出した脂の甘みと旨味が、後を引く。麺をすすればネギやとろろ昆布の風味も加わり、食欲がさらに増進。一気に平らげてしまう!

「油かすはうどん以外に使ってもうまい」と店主夫婦。油かすカレー950円、油かすオムライス950円なども品書きに並ぶ。
「油かすはうどん以外に使ってもうまい」と店主夫婦。油かすカレー950円、油かすオムライス950円なども品書きに並ぶ。
大通り沿いに。
大通り沿いに。

『浪花かすうどん むねひろ』店舗詳細

浪花かすうどん むねひろ
住所:東京都港区芝4-5-15 クレール芝1F/営業時間:11:00〜14:00LO・17:00〜22:00LO/定休日:土・日・祝/アクセス:地下鉄浅草線・三田線三田駅から徒歩3分

ガシッとした歯ごたえに惚れる『手打ちうどん力丸』[富士見台]

吉田の肉うどんは温200g600円。300g700円、400g800円から選べる。卓上のあげ玉、すりだねをお好みで。(価格変動あり)
吉田の肉うどんは温200g600円。300g700円、400g800円から選べる。卓上のあげ玉、すりだねをお好みで。(価格変動あり)

店主の高原さんが富士吉田に赴任時、ハマったのがうどん行脚。「硬い麺がおいしくて」と、名店『くれちうどん』に教えを乞うた。24時間寝かせた手打ちは、ガシッとした強いコシ。煮干しやしいたけなどの混合出汁に、信州味噌と醤油で味を調えたお汁は、くっきりとした旨味とまろみが同居。飲み干す人、続出だ。馬肉を牛肉に変えた甘辛煮がコクを添え、味変のすりだね投入でピリリと痛烈な辛さが押し寄せる。

気さくな風情で、週末は朝営業もあり。
気さくな風情で、週末は朝営業もあり。
「吉田で定番の冷やしは、もっとガッシガシですよ〜」と高原夫妻。
「吉田で定番の冷やしは、もっとガッシガシですよ〜」と高原夫妻。

『手打ちうどん力丸』店舗詳細

手打ちうどん力丸
住所:東京都練馬区富士見台2-18-9/営業時間:11:00〜20:00(土・日・祝は9:00〜18:00)/定休日:木/アクセス:西武鉄道池袋線富士見台駅から徒歩4分

飲んだ後にいいキリリと締まる後味『花坊』[経堂]

3種の粉をブレンドした手打ちうどんが自慢。おしぼり汁うどん1150円のほか、天ぷら付き1550円もあり。
3種の粉をブレンドした手打ちうどんが自慢。おしぼり汁うどん1150円のほか、天ぷら付き1550円もあり。

そば猪口を満たすのは、辛味大根の搾り汁。常連だった山城裕輔さんは、店を閉じると聞くや否や先代に学び、看板のおしぼり汁うどんも引き継いだ。もちっと弾力のある手打ちうどんは水で締めるとツヤピカ。これを、今が旬の長野県坂城町産ねずみ大根の「とびっきりの辛さ」ですすれば、徐々にヒリヒリ舌を突き刺してくる。味変アイテムは信州味噌とネギ、関西風の汁で、まろみにほっと安堵。「この辛味がクセになる」という熱烈ファンのため、冬も冷やしで提供。天ぷらで一杯の後に締めで味わうのが通だ。

花坊野菜天ぷら680円は5、6種の季節野菜が満載で日本酒が進む。
花坊野菜天ぷら680円は5、6種の季節野菜が満載で日本酒が進む。
駅近ながらのどかな風情。
駅近ながらのどかな風情。
「居酒屋を開業するつもりがうどん屋になりました」と笑う山城夫妻。
「居酒屋を開業するつもりがうどん屋になりました」と笑う山城夫妻。

『花坊』店舗詳細

花坊(はなぼう)
住所:東京都世田谷区経堂1-12-14/営業時間:11:30〜14:30・18:00〜20:30/定休日:火夜・水・不定あり/アクセス:小田急電鉄小田急線経堂駅から徒歩1分

取材・文=佐藤さゆり・高橋健太(teamまめ) 撮影=逢坂聡