ヴィンテージショップ『DEPT(デプト)』のオーナーであるeriさんがプロデューサーを、ミシュラン1つ星の上海料理店『mimosa(ミモザ)』の南俊郎シェフがメニューの監修を務める『明天好好』が2022年2月、中目黒から下北沢に移転オープン。“第2章”の幕を開いた同店を紹介する。

性別・年齢を問わず利用しやすい店にリニューアル

小田急線下北沢駅周辺の地下化に伴う再開発によって誕生した「reload(リロード)下北沢」。下北沢駅から徒歩5分、隣駅の東北沢駅からも徒歩4分ほどの中間地点に、2021年6月にオープンした商業施設だ。

その一画に、2022年2月『明天好好』が移転オープンを果たした。それまでは目黒川を横断するように伸びる、中目黒の野沢通り沿いで営業を行っていた同店。コンセプトを“New Far Eastern Style Cafe”と銘打ち、独自の解釈から極東をイメージした新しいスタイルのカフェとして、2019年からプラントベースの台湾フードを中心に提供している。

写真提供:『明天好好』
写真提供:『明天好好』

「中目黒時代のキーカラーはピンクだったこともあり女性のお客様が多かったのですが、より幅広い方々に、お店の活動に触れて感じていただきたいという思いから、モノトーンを基調に内装コンセプトを一新し、ユニフォームも黒に統一しています」と、広報を担当する鈴木将也さんは話す。

移転を機にブランドカラーだけでなく、チャイナ服をアレンジしたようなスタッフユニフォームも様変わりし、いっそうシックさが増した。またメニューも名物の豆花(トウファ)やドリンクに新メニューが追加されたほか、新たに魯肉飯(ルーローハン)や麻婆飯などの食事メニューが充実した。

写真提供:『明天好好』
写真提供:『明天好好』

いつでもどんなニーズにも応えられるようなメニューにするべく、お腹を満たせるようなご飯ものをプラス。11時から15時までの提供となるため(2022年5月23日時点)、ランチ時にはこの新メニューを目当てに訪れるお客さんも多いようだ。

魯肉飯(スープ付き)900円+ドリンクセット300円。
魯肉飯(スープ付き)900円+ドリンクセット300円。

もちろん、この魯肉飯や麻婆飯もプラントベース。肉の代わりにプラントベースミートを使用するなど、細部にまでこだわり抜かれて作られているヴィーガン仕様だ。実際に食べてみると、動物性食品を使用していないとは思えないほどの満足感を覚えるから、南シェフの類まれなる技術に脱帽してしまう。

環境にやさしい飲食店を目指して

アクティビストとして、環境保護に向けた様々な行動を実践するeriさん。『明天好好』でも環境に配慮した取り組みをスタートしている。「eriさんが属するアパレル業界、そして当店のような飲食業界は、ゴミの排出量が多い産業と言われています。そのような生活に根付いた産業においても、環境問題の改善を発信し続ける大事さを企画時点からお話くださり、今の取り組みにつなげています」と鈴木さんは説明する。

前店舗を取り壊した際に出た端材を内装の一部に再利用する取り組みも。写真提供:『明天好好』
前店舗を取り壊した際に出た端材を内装の一部に再利用する取り組みも。写真提供:『明天好好』

飲食店を悩ます生ゴミについては“廃棄量ゼロ”を掲げ、コンポストやフードドライヤーを導入。コンポストによって生ゴミから生まれ変わった堆肥は農園で活用してもらい、いずれその農園でできた作物を店で提供するという循環を目指しているという。

また、プラスチック削減にも積極的に取り組み、テイクアウト用のカトラリーやカップ・フタを可能な限り紙製にしたり、生分解性のものに変更したりしている。紙袋のリサイクルも進め、回収した紙袋は無料で提供するなどの取り組みも始めている。

「ゆくゆくは段ボールをはじめとした紙ゴミもゼロにできるよう、新しい試みを行う企業とのコラボもしていく予定です。こうした我々の取り組みにリロードさんも共感してくれて、コンポストの試験導入を行ったり、全館再生可能エネルギーに変更してくれたりと、一緒に取り組める環境になっています」と鈴木さん。

地球のためにできることをお店全体で喚起することで、同時にお客さんに考えるきっかけも与えているようだ。『明天好好』の取り組みが、訪れた一人一人の考えや行動にも連鎖していくことを期待したい。

『明天好好』店舗詳細

明天好好(ミンテンハオハオ)
住所:東京都世田谷区北沢3-19-20 reload下北沢 1-14区画/営業時間:11:00〜18:00/定休日:不定/アクセス:小田急電鉄小田急線・京王電鉄井の頭線下北沢駅から徒歩5分

取材・文・撮影=柿崎真英

柿崎真英
ライター
宮城県仙台市出身。2019年よりフリーランスライター・エディターとして活動中。月刊誌やニュースサイト編集者としてのバックグラウンドを活かして、Webメディアや雑誌などに寄稿を行う。