新宿御苑の豊かな緑を眺めながら歩くと、一軒家レストラン『オステリア・イル・レオーネ』が見えてくる。新宿御苑前駅から徒歩1分。ビジネス街ながら落ち着いた雰囲気で、フィレンツェやトスカーナ地方で学んだシェフが手がける本格料理がいただける人気のお店だ。

イタリア・フィレンツェで修業したシェフが手がける伝統的トスカーナ郷土料理

新宿御苑前駅1番出口から徒歩1分。旗のある右手が入り口、奥の左手が出口。
新宿御苑前駅1番出口から徒歩1分。旗のある右手が入り口、奥の左手が出口。
新宿御苑が目の前。豊かな緑を眺めながら穏やかな気持ちでお店へ。
新宿御苑が目の前。豊かな緑を眺めながら穏やかな気持ちでお店へ。

店に入るとシェフの二瓶亮太さんが、厨房でいくつもの調理を進めながら笑顔で迎えてくれた。日本やイタリアで修業し、シェフ歴23年(2022年現在)の二瓶さんだが、この世界に入ったのは25歳の時。

二瓶さんの父も料理人だったが、父の背中を追って料理人になったわけではなかった。朝早くて夜遅く、日曜日も仕事で、運動会にも授業参観も来てもらえない。そんな父を見て育った二瓶さんは、料理人にはならずに、プロのミュージシャンを目指していた。しかし、夢破れてバンドを辞め、一度は会社勤めをするが、サラリーマンは性に合わなかった。その時になって、初めて料理人の道を選んだという。

「料理は相手がいて楽しい。食べてくれる人がいるから作るんです」と、シェフの二瓶亮太さん。
「料理は相手がいて楽しい。食べてくれる人がいるから作るんです」と、シェフの二瓶亮太さん。

日本のイタリア料理店で修業すること4年、単身イタリアのフィレンツェへ渡った。いくつかの店で修業する中、新店の立ち上げを任されたり、少しずつ料理の腕を磨いていく。4年後、日本に帰国して横浜にあるイタリア料理店の立ち上げから7年間シェフとして務めていた二瓶さんは、「次は東京で勝負をしたい」と思っていた。

店内に入ると10席のカウンター。
店内に入ると10席のカウンター。

2011年にオープンした『オステリア・イル・レオーネ』で前任のシェフが辞めたところに、ちょうど都内で自分に合った店を探していた二瓶さんが引き継ぐ形になった。2016年2月のことだった。2016年2月のことだった。

「トスカーナの郷土料理や、フィレンツェ風Tボ―ンステーキの“ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ”を提供できる店をやりたかったんです」。二瓶さんが学んだ料理を表現していくこと6年、『オステリア・イル・レオーネ』は、カジュアルなイタリア料理店から本格的トスカーナ料理店として生まれ変わった。

2階はテーブル20席。平日でも満席のこともあるので予約してから出かけよう。
2階はテーブル20席。平日でも満席のこともあるので予約してから出かけよう。

前菜からパスタ、エスプレッソまで。まずは気軽に楽しめるランチを堪能

「ご予約をいただいて、お話しながら丁寧に料理をお出ししたい」。それが理想という二瓶シェフ。今回紹介するのはPranzo B(前菜盛り合わせ、お好きなパスタ、エスプレッソ or 紅茶)1980円(要予約)。お話をしながらも、前菜が美しく盛り付けられてゆく。食べるのがもったいないくらいきれいな一皿。どれから食べたらいいか迷う楽しみもある。自家製のフォカッチャも添えられている。

前菜盛り合わせ。彩鮮やかな前菜を一つずつつまみながらパスタを待つ。
前菜盛り合わせ。彩鮮やかな前菜を一つずつつまみながらパスタを待つ。
調理を1人でこなすシェフの巧みな腕さばきと無駄のない動きに目が釘付け。
調理を1人でこなすシェフの巧みな腕さばきと無駄のない動きに目が釘付け。

選べるパスタは2種類。この日は、サルシッチャとマッシュルームのオイルソース チーズと黒胡椒のカーチョエペペと、こちらのトマトソースのカラブリア風パスタ。

小エビと夏野菜のスパイシーなトマトソース カラブリア風パスタ。
小エビと夏野菜のスパイシーなトマトソース カラブリア風パスタ。
プラス550円で本格手打ちパスタに変更も可。
プラス550円で本格手打ちパスタに変更も可。

ぷりっとした小エビにズッキーニやゴーヤを合わせ、旨味とほど良い辛味のソースが絡んだ夏らしい一皿だ。

Pranzo B(前菜盛り合わせ、お好みのパスタ、エスプレッソ or 紅茶)1980円。
Pranzo B(前菜盛り合わせ、お好みのパスタ、エスプレッソ or 紅茶)1980円。

イタリアで学んだ文化や料理、大好きなイタリアをお客様に伝えたい

イタリアでコーヒーと言えばエスプレッソ。「エスプレッソがなきゃ、イタリア料理店と言えませんから」と、コースの最後を締めくくるエスプレッソにもこだわっている。二瓶さんがこの店に来た2016年からエスプレッソマシンを新しくし、いろいろ研究して本格的なエスプレッソに辿り着いたという。

エスプレッソマシンで、クレマが立つ本格的なエスプレッソを抽出。
エスプレッソマシンで、クレマが立つ本格的なエスプレッソを抽出。
エスプレッソに砂糖を一袋。ビターな苦味と旨味のコク深い味わいに、なめらかな舌触り。
エスプレッソに砂糖を一袋。ビターな苦味と旨味のコク深い味わいに、なめらかな舌触り。

極上のエスプレッソまで本格的なトスカーナ料理を目指す二瓶さん。本場フィレンツェで感じた味はそのままに、細かいところは少しずつ変わっているという。

「常連さんだったら、料理もワインもお好みをインプットしておいて、前回とは違うのをお出ししようとか。前菜もドルチェも出てきた時に、毎回まったく同じものだったら面白くないじゃないですか。だから、私は細かいところまで全部足し算して、それがいいお店だと思ってやっています」。

見た瞬間、食べて笑顔になる美しくおいしい、本日のドルチェ550円。
見た瞬間、食べて笑顔になる美しくおいしい、本日のドルチェ550円。
本日のお肉料理が付く、Pranzo C(パスタはハーフサイズ)3630円も人気。
本日のお肉料理が付く、Pranzo C(パスタはハーフサイズ)3630円も人気。

「ベースは絶対イタリアじゃないとだめなんですよ。イタリア人が作ったらこうなるだろう、イタリア人が食べておいしい、イタリアからは絶対はみ出ない。そういう料理を作りたい。そうやってイタリアで学んだ文化や料理をなるべく押し付けないように伝えられたらいいなと思ってます」。

シェフとの会話も楽しく、1人で来ても心地よく過ごせるお店。今度は、友達や家族、大切な人と予約して、Tボーンステーキやワイン、ドルチェ&カフェまでゆっくり味わいたい。

オステリア・イル・ レオーネ(おすてりあ いる れおーね)
住所:東京都新宿区新宿2-1-7/営業時間: 11:30〜14:30LO・18:00〜21:00LO(土はランチのみ)/定休日:日/アクセス:地下鉄丸ノ内線新宿御苑前駅から徒歩1分、地下鉄新宿三丁目駅から徒歩5分

構成=アート・サプライ 取材・文・撮影=大熊美智代

アート・サプライ
編集プロダクション
1971年創業の編プロ。「旅&食&散策」ジャンルに強く、情報誌では子供向けから鉄道やドライブでの大人旅まで。さらにグルメ系ではラーメンや唐揚げ専門情報誌をはじめ、日本全国うまいもの紹介なども手掛けている。