JR大森駅北口改札から数十歩、駅直結で飲食やファッションなど、多くの店舗が入る大森駅ビル「ララ」の地下1階にある『中華そば 円月〜えんげつ〜』。和食店の職人が立ち上げた店で、ハマグリの魅力を最大限に引き出した中華そばは格別だ。
木と白を基調とした店内。テーブル席があるのもうれしい

暖簾をくぐり、店内に入ると券売機がある。いろいろと悩んだが、蛤と鰹 中華そば840円を購入。
店内は奥に長く、カウンター席のほか、2人掛けのテーブル席もある。店長の本間有さんに伺うと、「お客様は女性の一人客も比較的多いですし、年配のご夫妻も常連になってくれています。テーブル席もありますので、お子さんを連れた方もよくきてくれます」と話してくれた。
ハマグリの香りと味わいが特徴的。魚介系の旨みも広がる

ほどなくすると蛤と鰹 中華そばが登場。鼻をくすぐるようにほんのりとカツオの香りが漂ってくる。中央に盛られたチャーシューやホウレン草、赤玉ネギのみじん切り、白髪ネギなど、見た目も美しい。
スープをひと口飲むと、ハマグリの優しい風味が広がり、後を追うようにカツオと昆布の風味が広がる。本間さんは「スープには九十九里産と桑名産のハマグリを使用し、和食の技術で出汁を取った潮汁(うしおじる)が基本になります」と教えてくれた。
ハマグリの芳醇な味わいとコクもあり、味に深みがある。

北海道産の小麦粉「ゆめちから」を使用した中細ストレート麺も抜群。しっかりとした歯ごたえがあり、ツルッとしたのど越しもたまらない。
チャーシューは2種類。豚肩ロースを低温調理したチャーシューはしっとりとして旨みと甘みが感じられる。もう一方は、豚バラをじっくり煮込んでいて、提供前に炙っているため香ばしさが加わる。本間さんは「1種類より2種類チャーシューがあった方が、食べたとき楽しいでしょ」と笑って答えてくれた。
赤玉ネギと長ネギの食感や甘み、辛みなども相まって、どんどん箸が進んでいく。
卓上の調味料で味変を楽しもう

卓上には4種類の調味料が置かれている。
黒コショウのピリッとした辛みは、魚介の風味を引き立ててくれる。店イチオシの黒七味は、香りと辛みが見事に調和してこれもスープとよく合う。さらなる辛みの刺激が欲しいのならば柚子胡椒がいい。
個人的におすすめなのがこんぶ酢。酢の爽やかさとともに、スープの味を損なうことなく、昆布の旨みでさらなる奥行きを生み出している。ちょっとずつ試してみて、自分好みに仕上げてみるのも楽しい
ハマグリ出汁のみを使用した塩そばや季節限定ラーメンも食べたい

本間さんは「ハマグリ出汁のみを使った蛤塩そば980円や、ハマグリの身が入った具だくさんの炊き込みご飯100円、旬の素材を使った季節限定品などもおすすめです。本当は季節限定だったのですが、人気のため定番になったみそラーメン890円をぜひ食べて下さい」と話してくれた。
ハマグリの魅力を最大限に生かした中華そば。和食の職人が作り上げた自慢の味をぜひとも楽しんでもらいたい。
中華そば 円月〜えんげつ〜(ちゅうかそば えんげつ)
住所:東京都大田区山王2-1-5大森駅ビル ララB1F/営業時間:11:30〜15:00・17:00〜22:45LO(土・日・祝は11:30〜15:30・17:00〜22:30LO)/定休日:無/アクセス:JR京浜東北線大森駅から徒歩すぐ
取材・文・撮影=速志 淳 構成=アド・グリーン
アド・グリーン
編集プロダクション
1982年創業の編集プロダクション。旅行関係の雑誌・書籍、インタビューやルポルタージュを得意とし、会社案内や社内報の経験も多数。企画立案から、取材・執筆、デザイン、撮影までをワンストップで行えるのがウリ。