『蓬莱春』は、中国は山東省で数百年続く同名のレストランで料理を作り、料理学校の講師も務めた楊清波氏が夫婦で切り盛りする中華料理のレストランだ。本場での豊富な経歴を持つ楊氏だが、『蓬莱春』のモットーは、日本人の口に合う中国料理をリーズナブルな価格で提供すること。楊氏の願いどおり、『蓬莱春』は2001年のオープン以来錦糸町で愛され続けている。

種類豊富でリーズナブルなランチ定食

リーズナブルな価格でボリューム満点のランチ定食。
リーズナブルな価格でボリューム満点のランチ定食。

『蓬莱春』のランチメニューは定食のみで、麻婆豆腐やラーメン、チャーハン、中華丼など現在15種類ほどを提供している。値段は税込800円から950円とリーズナブル。今回はニラレバ定食800円を注文してみた。

レバーたっぷりのニラレバ。
レバーたっぷりのニラレバ。

ほどなくやってきたニラレバ定食800円は、メインにたっぷりレバーが入ったボリューム満点のニラレバ。サイドに冷奴、玉子スープと杏仁豆腐のデザートまでついている。

高温の中華鍋で一気に炒めたと思われるニラレバは、中までしっかり火が通りつつもシャキシャキ食感。本場で鍛えた確かな腕が感じられる上に、味付けはまさに町中華。日本人好みの味付けだ。単品800円でもおかしくない量でしっかりお腹にたまる。

あっさり味の玉子スープと冷奴で口直ししつつ、最後に杏仁豆腐のデザートで締めれば大満足間違いなし。

名物は都内では珍しい自家製玉子皮春巻き

ディナーで食べたい玉子皮春巻。
ディナーで食べたい玉子皮春巻。

『蓬莱春』はディナーも盛況で、ランチと同じくリーズナブルな価格で多種の料理とお酒を提供している。その中でも名物といわれて人気なのは自家製玉子皮春巻き500円だ。「元々山東省では春巻きの皮は玉子を使ったものが普通なんです」とのことで、実際に包む前の玉子皮を見せてもらえた。

実際の玉子皮。
実際の玉子皮。

山東系の中華が多い大阪などでは玉子皮の春巻きを出すお店も多いらしいが、都内では珍しいという。ディナータイムに訪れた際は是非とも試してみたい。

確かな腕で作られる日本人好みの味

清潔感のある店内。
清潔感のある店内。

「以前はスタッフに接客などをお願いしていたのですが、コロナ禍以降は夫婦二人で切り盛りしています」こう語る楊さんの表情は明るい。きれいに整えられた居心地のよいテーブル席の他に10名ほど座れる個室もある。奥様のあたたかい接客は初めて訪れるお客様も笑顔にするだろう。

個室も完備。
個室も完備。

本場仕込みの確かな腕を持つ楊さんが作る日本人好みの町中華『蓬莱春』。「気取らない、おいしい中華を食べたい」と思ったら、またここに寄ろうと店を後にした。

蓬莱春(ホウライシュン)
住所:東京都墨田区錦糸町2-13-1 堀越第一ビル1F/営業時間:ランチ 11:30〜14:00・ディナー 17:30〜23:30/定休日:日/アクセス:JR・地下鉄錦糸町から徒歩5分

取材・文・撮影=かつの こゆき