1960年代、表参道と明治通り交差点に位置した「原宿セントラルアパート」にはクリエイターが多数入居し、ここに事務所を構えることが文化人のステータスとも言われた。90年代以降は裏原宿エリアを中心としたストリート系ブランドの台頭や、近年の「原宿Kawaii文化」に代表されるように、原宿で誕生した多様なカルチャーが国内外に発信され続けてきた。 昨今では、これまで購買・消費する立場に過ぎなかった来街者が、自身の体験や共感をSNSを通じて発信・表現する存在へと変化。こうした時代背景を象徴し、「多様な人々の感性を刺激する、新たな原宿カルチャーの創造・体験の場」として2024年4月17日に誕生したのが『東急プラザ原宿「ハラカド」』である。

「原宿セントラルアパート」。
「原宿セントラルアパート」。

3階の「クリエイターズプラットフォーム」は会員制のラウンジやスタジオ、ラジオ放送局などが入り、トップクリエイターとさまざまな企業や人が出会い協業し、新事業を模索する。5・6・7階は「原宿のまちの食堂」。5階には原宿・神宮前エリアに少なかった、日常的に通いたくなる個性的な飲食店11店舗が横丁のように軒を連ねる。

飲食店フロアにはアートも。
飲食店フロアにはアートも。

6階の芝生ゾーンは、最先端のものが集まるこの地だからこそ、のんびり過ごせる「たまり場」のような場所に。そしてそこからつながる7階の屋上テラスは、“唯一無二の交差点メディア”としてさまざまな企業やブランドとのコラボレーションイベントが開催予定だ。

屋上テラスは東急プラザ表参道「オモカド」とも連動。
屋上テラスは東急プラザ表参道「オモカド」とも連動。

4階はエンターテインメント体験の場。第1弾は、フロア全体を「ハラッパ」と題し、焚き火を囲うようなインスタレーションなど、自然やサステナブルを感じさせるコンテンツが登場。地下エリアは物販やサービス店舗が出店。高円寺の老舗銭湯『小杉湯』が銭湯を中心とした暮らしを提案する『小杉湯原宿』など、注目の店舗が揃う。

地下1階の『小杉湯原宿』。
地下1階の『小杉湯原宿』。

その時代のトップクリエイターたちが集い、新たなカルチャーを生み続ける街、原宿。歴史を受け継ぎながらも変化していくこの街を一層楽しむなら、「ハラカド」を訪れないと!

外装は「KNIT DESIGN(まちを編む)」がコンセプト。外装や屋上デザインは建築家の平田晃久氏。
外装は「KNIT DESIGN(まちを編む)」がコンセプト。外装や屋上デザインは建築家の平田晃久氏。

東急プラザ原宿「ハラカド」
住所:東京都渋谷区神宮前6丁目31-21/営業時間:物販・サービス店舗:11:00〜21:00、飲食店舗:11:00〜23:00(一部店舗は異なる)/定休日:無/アクセス:地下鉄明治神宮前駅から徒歩1分

文=近藤かおり(『散歩の達人』編集部) 写真提供=東急不動産
『散歩の達人』2024年4月号より