隠岐諸島に16日、トキ科の渡り鳥でくちばしがへらのような形をしたヘラサギが、島根県隠岐の島町北方の水田近くに姿を見せた。秋から冬に見られるが、この時期の飛来は珍しいといい、愛鳥家が見守っている。

 16日午後5時ごろ、近くの町職員金坂賢一さん(61)が、体長60センチぐらいの1羽が風を避けるように水田のあぜ道に身を寄せていたという。17日朝に見回りしたところ、水田に入り、くちばしで餌をついばむしぐさを見せた。

 4年前の冬にも幼鳥が町立五箇小学校近くに姿を見せ、3〜4週間滞在していたという。金坂さんは「暖かくなってから来るのは珍しい」と述べた。

 米子水鳥公園(米子市彦名新田)には毎年10〜11月に定期的に現れる。同公園の桐原佳介統括指導員(50)は「春に繁殖地へ向かう渡りの途中で足を止めたのではないか」と話した。