高さ5メートルの色鮮やかで大きな傘鉾(かさぼこ)が見どころの「次(じ)の日祭」が21日、島根県邑南町阿須那の賀茂神社周辺であった。法被姿の担ぎ手が赤や白、黄色などの短冊をつり下げた傘鉾の巡行を披露し、見物客を沸かせた。

 祭りは京都の「葵祭」の流れをくみ、650年以上続くとされる。地元の賀茂神社の例祭に合わせて毎年21日に開催している。

 地元の宮の上、大庭、旅迫の3集落が作った傘鉾3体と、地元の羽須美中学校の生徒が作ったひと回り小さい1体が披露された。集落が作った直径4メートル、重さ50キロの傘鉾は10人程度が担ぎ、神社前の通り500メートルを「わっしょい」と威勢の良い声を上げて走り回った。

 傘鉾の頂点には時流に沿った人や物を飾る慣習があり、今年は世間を騒がせたツキノワグマや、昨年、陸上の世界選手権女子やり投げで金メダルを獲得した北口榛花選手を模した人形が登場した。

 見物した同町阿須那の松田節雄さん(77)は「今年も立派な傘鉾だった。平日なのにたくさんの人が見に来ていてうれしい」と顔をほころばせた。