醸造大手のキッコーマンが、千葉県野田市に建設した子会社「キッコーマンフードテック」の新工場の竣工式が21日、開かれた。最新技術を導入し、自動化・省人化を図ることで、生産効率はこれまでの約3倍に向上するという。販売が好調なしょうゆ関連の調味料などの生産体制を強化する。

新工場は鉄骨の地上2階建てで、延べ床面積8161平方メートル。建設に約119億円が投じられた。4月から稼働しており、焼き肉のタレの「わが家は焼肉屋さん」シリーズなど、200〜300の商品を製造している。

調合する材料などを自動で運ぶ無人搬送車(AGV)を導入した。効率的に正確な分量の原料や資材を搬出入できる「立体自動倉庫」も取り入れた。

従来は、製造計画から出荷まで多くの作業に人手が割かれていたが、IoT(あらゆるモノをインターネットに接続する技術)を活用した生産システムに切り替えた。作業時に人為的なミスが出るリスクの低減や、生産性の大幅な向上が期待される。

式典で、キッコーマンの茂木友三郎取締役名誉会長は「最新の設備とIT技術を最大限に活用し、より高品質で安心・安全な製品を皆さまに届けられる。お客さまには、今まで以上に満足いただけると確信する」と挨拶した。

千葉県の熊谷俊人知事は「県の代表企業、キッコーマン創業の地の野田市で新たな設備投資が行われたことは大変うれしい。県も、しょうゆを含めた発酵や食を支える調味料の文化を国内外に伝える」と語った。(松崎翼)