「慰霊の日」を迎え、「沖縄全戦没者追悼式」が営まれた沖縄県糸満市の平和祈念公園で23日、式典会場の近くで「銃弾持って帰れ」などと大声で抗議する人が現れ、県職員らが制止する一幕があった。公園の外で「沖縄・アジア・中国を戦場にするな 自衛隊ミサイル配備反対」と書かれた横断幕を掲げる人もいた。

玉城デニー知事は式典終了後、「慰霊の式典なので、できるだけ静謐(せいひつ)な環境で(式に)臨んでいただきたいとお願いしていた」と述べる一方で、「あのような声が出たということも、県民あるいは(式に)参加された方々の思いの吐露なのだろうと受け止めている」との認識を示した。

追悼式で岸田文雄首相のあいさつが始まった23日午後0時40分ごろ、会場近くでは、男性が「沖縄を食い物にするな」などと声を張り上げ、女性が「銃弾持って帰れ」などと叫ぶ声が聞こえた。

県職員が「追悼式につき静粛にお願いします」と書かれた紙を2人に示し、県警の腕章をつけた警察官が会場から遠ざけようとしたが、男性は「静かにするから邪魔するなって言ってるだろ」「騒いでないよ。抗議。なんでダメなんだよ」などと繰り返し訴えた。