将棋の藤井聡太叡王(21)=棋聖・竜王・名人・王位・王座・棋王・王将=に伊藤匠(たくみ)七段(21)が挑戦する第9期叡王戦五番勝負の第2局が20日、石川県加賀市で指され、先手の伊藤七段が87手で勝ち、対戦成績を1勝1敗のタイとした。第3局は5月2日、名古屋市中区で行われる。

藤井叡王はタイトル戦での連勝が16でストップし、大山康晴十五世名人が持つ17連勝の歴代1位の記録には及ばなかった。伊藤七段は、藤井叡王とは公式戦13戦目(1持将棋=引き分け)で初勝利を上げ、タイトル戦では10戦目(同)での初白星となった。

今シリーズ、タイトル全8冠を持つ藤井叡王は叡王4連覇が懸かり、伊藤七段は3度目のタイトル挑戦で初戴冠を目指す。

終局後、伊藤七段は「前例の少ない将棋となり、一手一手、手探りで指していた。一つ結果が出せたことは良かったが、まだまだ番勝負は続く。(第3局も)しっかり準備して臨めれば」、藤井叡王は「もう少し工夫が必要だった。(連勝ストップは)仕方のないこと。今後も名人戦を含めてタイトル戦が続くことになるので良いコンディションで臨めるようにしたい」と、それぞれ話した。