立憲民主党の小沢一郎衆院議員は27日、東京都知事選(7月7日投開票)に立候補した蓮舫前参院議員=立民を離党=が都内に構える事務所に激励に訪れた。小沢氏はVサインで必勝を期した上で、「ひたすら一生懸命1人でも会って…」と「どぶ板選挙」の徹底を指南。蓮舫氏の出馬には相好を崩した小沢氏だったが、かつての自身の側近で3選を目指している小池百合子都知事については辛辣(しんらつ)なコメントに終始した。

満面の笑顔で歓迎する

「おやおやおや。おー、ごくろうさーん」

小沢氏は事務所内で出迎えた蓮舫氏にこう述べて、両手を差し出して歓迎。「最後はブイだよ」と自らピースサインも作って、記者団の撮影に応じ、2人で知事選勝利を誓っていた。

旧民主党、旧民進党時代も含めて2人は同じ党内グループに属したことはなかったとみられるが、小沢氏は蓮舫氏の都知事選出馬に非常に満足そうだった。「本当にうれしかった。片方が自公べったりで、野党陣営から対抗する候補が出ないんじゃ、寂しい話だからな。まさかと思ったけど、決断してくれて、僕は喜んでいる。勝たないかん」と持ち上げた。

小沢氏は衆院当選18回で政界最古参。蓮舫氏が都知事選を勝ち抜くための「選挙術」について記者団に問われると「特別いい方法なんてない」と答えつつ、冗舌に続けた。「ひたすら一生懸命1人でも多くの人に会って、握手して、一言でも『こんにちは』『おはよう』といって、こなす以外ないんだろうな」と選挙区を地道に踏み歩く重要性を強調した。

小池氏の選挙手法は不満

蓮舫氏は、街頭演説の頻度が現時点で平日は1回、休日は2回ペースだ。

一方、蓮舫氏に対しては顔をほころばせた小沢氏だが、公務を優先させて選挙運動は控えめな小池氏には矛先を向ける。

「小池知事は公務がなんとかで、出てこないんだって。今日はそのことを言うあれではないけど、変な言い訳だね。任期満了の選挙なんだから、公務どうのこうのの話じゃないんだよ。選挙を一生懸命やって、都民の皆さんに訴えるのが今は一番の仕事なんだよ。知事の仕事は理屈にならない」と持論を展開して、小池氏を批判した。

小池氏は平成6年に結党した新進党に参加し、党幹事長や党首を務めた小沢氏の側近だったが、その後決別した経緯がある。

小沢氏は小池氏の選挙戦術に強い不満を抱えているようだ。蓮舫氏の事務所を後にした際も記者団に「(小池氏)本人は元気なんだから朝から晩までやればいい。土日だけじゃだめじゃねえか」とこぼした。(奥原慎平)