林芳正氏=リンホウセイ「名づけ親は僕、誤情報に踊った」闇のクマさんインタビュー(中)
産経ニュース10/1(水)14:56

闇のクマさん(左、スクリーンショット)と林芳正官房長官
有力政治家を相手に、信じ込んだデマ情報をユーチューブ動画で配信し、現在は「事実系」インフルエンサーとしての活動を心がける「闇のクマさん」。10月4日投開票の自民党総裁選に出馬した5候補の中にも過去誤情報を配信してしまった相手がいるという。政治系ユーチューバーとして5候補について語ってもらった。
高市氏「奈良のシカ以外しゃべることあった」
──高市早苗前経済安全保障担当相は、外国人観光客による奈良のシカへの暴行発言が物議を醸している
「難しいな…高市さんは割と応援している政治家で、正直、シカの話題に触れてほしくなかった。奈良選出の議員だからこそシカに対する思いは当然だし、お話をするのもいいと思う。ただ、あれだけ政策に詳しい人だ。ほかにしゃべることはいっぱいある。わざわざ敵を増やしてしまう話題に触れなくてもよかった」
林氏「めちゃめちゃ頭いい」
──林芳正官房長官はネット上で「リンホウセイ」とのあだ名が出回っている
「名付け親は間違いなく僕だ。元実業家の有名ユーチューバーが林さんについて『媚中である』と言及したことを真に受けて『中国の味方ではないか』『中国で女遊びしているのではないか』などめちゃくちゃ叩いた」
「実際は、安倍晋三さん、菅義偉さん、岸田文雄さんら歴代総理に信頼され、重役を担い続けている。官房長官として会見で発言する機会も増え、めちゃくちゃ頭のいい人だと分かる。肝心の中国に対しても、スパイ容疑での邦人拘束などものすごく厳しいことを言っている。また僕は誤情報に踊っていたと気が付いた」
──なぜ林氏の見方が変わったのか
「岸田さんが『増税メガネ』で叩かれたときに『それは違うよね』と動画で発信したら、界隈からフルボッコ(=批判コメントが殺到)にされた。そこから林さんや岸田さんに関する詳しい記事、自民党のHPなどを調べるようになった。知らなかった情報がいっぱいあった。当時は(似た意見に囲まれて視野が狭まる)『エコーチェンバー』に陥っていた」
小泉氏は「ネットでターゲットにされやすい」
──小泉進次郎農林水産相はどう思う
「政治家の実力は正直わからないが、(2023年9月に東京電力福島第1原発処理水の安全性をアピールするため福島県南相馬市の海岸で行った)サーフィンの件を含め、ほかの総理候補ができないことを平気でやってのける。政策を作る能力は優秀な仲間がいっぱいいると思う。小泉さんの動向を追っていると楽しいですよね」
──小泉氏は偽情報で叩かれやすい
「インフルエンサーはターゲットにするだろう。下手したら今一番稼げる男が小泉進次郎だ。ネット環境で遊ばれないための対策をこれまで取り損ねてきた感がある。いま有識者の方がファクトチェックサイトを作って、遊ばれないような状況を作ろうとしているが…」
茂木氏「陣営まとまっている」
──茂木敏充前幹事長の戦いぶりは
「詳しい地方議員に聞くと、今回の総裁選、陣営はめちゃめちゃまとまっているみたいですね。(茂木氏側近の衆院議員)鈴木貴子さんを中心に総裁選前から茂木さんのかわいらしいイメージを一貫して発信している」
「総裁選中に『なんか茂木さん、実は猛追らしいよ』とXに投稿したら、なんと本人から『ありがとうございます!』と返信があった。一番感じよく戦っているのが茂木陣営という気がする。僕は茂木さんに対しても悪口を言っていたこともあるので…」
「保守とは何か」小林氏強調もネット民考えず
──総裁選では「保守とは」も争点の一つに上がっている
「ほとんどの政治系インフルエンサーは『保守とは何か』と聞かれても何も答えられないと思う。なんとなく日本のことを大事に思っている人だろうという考えで、多くのネット民はそこで終わっている」
──小林鷹之元経済安保相は、保守について「社会に向き合う姿勢だ」と指摘し「間違える可能性を率直に認め、先人の積み重ねをリスペクト」する姿勢を強調した。闇のクマさんにとって保守とは
「ごめんなさい。ちゃんとした答えがなくて。僕ね、本当に何も考えていないから笑」
──攻撃を重ねた自民党に対し、今後どうしていくか
「誤情報への対策を練るために、必要な情報は提供したい。例えば、インフルエンサーが収益を上げるためユーチューブやニコニコ動画などで、どういう風にデマを流して収益をあげているのか。こういうメカニズムを理解している一般人は多くはないと思う」(聞き手・奥原慎平)








