限界だった連立 自民保守回帰の追い風に 編集局次長兼政治部長 酒井充
産経ニュース10/10(金)21:44

公明党との会談を終え、記者団の取材に応じる自民党の高市早苗総裁=10日午後、党本部(相川直輝撮影)
何事も始まりがあれば終わりがある。自民、公明両党の連携も永遠ではない。社会状況や国際環境が激変する中、26年間の協力関係は賞味期限が来ていた。連立解消はスッキリした印象さえある。
自公政権は安定した政治を担い、安全保障関連法の成立といった成果も出してきた。一方で憲法改正への考えや、最近では公明が求める選択的夫婦別姓導入を巡り軋轢(あつれき)もあった。自公の選挙協力は政治の安定に資したが、公明票頼みの自民議員の地力は確実に落ちていった。「比例は公明に」と呼びかけられた自民支持者は苦痛だったのではないか。
それにしても別れ際がよくない。公明の斉藤鉄夫代表は連立離脱に関し「自民の不祥事を国民に説明し、応援することに限界が来ている」と述べた。「政治とカネ」が問題ならば、昨年の衆院選、もしくは遅くとも7月の参院選の自公大敗直後になぜ今回のような態度に出なかったのか。「高市嫌い」が本音なのではないか。
いずれにせよ、自民は公明に遠慮がいらなくなった。高市早苗総裁が目指す保守回帰には、またとない追い風ともなる。
高市氏は公明が嫌った靖国神社の参拝を堂々と行えばいい。憲法への自衛隊明記に後ろ向きな公明への配慮もいらない。来月立党70年を迎える自民は原点に立ち返り、党是の憲法改正実現のため前向きな政党と協力すればいい。「平和の党」を標榜(ひょうぼう)する公明も胸を張って野党となればいい。
もっとも、自公連立の解消で政治の安定が損なわれては元も子もない。不利益を被るのは国民だ。重要政策の一致を棚上げした野合は論外である。新首相を決める臨時国会の召集がずれ込んでいるが、早急に安定した政権の構築が望まれる。何よりも月末の国際会議やトランプ米大統領訪日を、退陣が確定している石破茂首相で迎えることは避けてほしい。










