西村誠司社長インタビュー① 経営危機から年商333億円企業に成長 にしたん社長の大逆転人生

サンケイスポーツ6/20(金)7:00

西村誠司社長インタビュー① 経営危機から年商333億円企業に成長 にしたん社長の大逆転人生

にしたんの頭文字「N」のポーズを取る西村社長。「きれいなNに見えるように」と腕の角度を細かく調節しながら写真に納まった(撮影・酒井真大)

「にしたんクリニック」「イモトのWiFi」などを運営するエクスコムグローバルの西村誠司社長(55)がこのほど、サンケイスポーツの単独インタビューに応じた。25歳で起業し、同社を年商333億円にまで成長させた西村社長が、「にしたん社長」として老若男女に知られるまでのストーリー、積極的にメディアに露出する意図などを語った。(全3回の1回)

25歳だった1995年に独立した西村社長は起業30周年を迎えた。大きな転機は2020年のコロナ禍だった。当時の主力事業は海外渡航者向けのWi–Fiレンタルサービスで売り上げは98%も落ち込んだ。

「あの時、飲食関係の人たちも打撃を受けていたけど、2、3割は残っていた。だから僕はうらやましかった。2、3割でも『まだお客さんいるじゃん』って思っていました」

パンデミックがいつまで続くか、当時は誰もわからなかった。「ウイルスは暑さに弱いから、夏になったら収まるんじゃないか」と西村社長は楽観的な憶測をすがるように信じていたという。だが、夏になっても感染拡大は止まらず、第2波が来た。7月に2度目の緊急事態宣言が発令され、「これは楽観的な思いを持っていてはダメだ」と悟った。

「コロナがWi–Fiビジネスにとって向かい風だったら、それが追い風になるようなビジネスは何かと考え、PCR検査を思いついた」

第2波到来からわずか1カ月、8月24日にはにしたんクリニックでPCR検査の受け付けをスタートした。「検査の中でも、競合相手がいて、選択肢がある中でウチが選ばれる必要がある」。スピーディーな決断だけでなく、100万単位の検査結果を裁くためのITシステムの構築、「たん、たん、にしたん」のCMソングでヒットしたマーケティング力が重なったからこそ、コロナという逆風を追い風に変えることができた。

「僕はあの時、あらゆる業態の中で誰よりも瀬戸際にいた。野球で言ったら0対20で負けてて、最終回2アウトから21点取るぐらいのウルトラ大逆転ストーリーですよ」。経営危機から一転、年商333億円への大成長を遂げた。

コロナが収束した今、力を入れているのが不妊治療だ。「すごい資産を持ったからこそ、次は人や国のために役に立つことをやりたい。30代の時とは違った使命感を持っている」と少子化問題に向き合う。不妊治療専門の「にしたんARTクリニック」は現在、12院を構えているが、「将来は80まで広げたい。高度な生殖医療を受けたいという人が全国、津々浦々にいる」と語る。「国の将来を作るのは若い人」。金色にこだわる男が一番投資したいのは、未来を担う子どもという金の卵だった。

■西村 誠司 (にしむら・せいじ) 1970(昭和45)年5月20日愛知県名古屋市生まれ、55歳。名古屋市立大を経て、93年にアンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)入社。25歳だった95年に独立起業。2012年に海外用Wi–Fiレンタルサービス「イモトのWiFi」が大ヒット。19年に美容内科「にしたんクリニック」を設立。コロナ禍で海外渡航者が減少する中、PCR検査サービスを始める。テレビCMも大きな話題を呼んだ。22年に不妊治療専門の「にしたんARTクリニック」を開業。25年に北海道東川町の地方創生アドバイザーに就任。

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