プロボクシングのIBF世界スーパーフライ級王者のフェルナンド・マルティネス(32)=アルゼンチン=が3日、東京・目黒区の志成ジムで、WBA王者の井岡一翔(35)=志成=との2団体王座統一戦(7日、東京・両国国技館)に向けた練習を公開。自らのスマートフォンでラテン系の音楽を流しながらノリノリでミット打ちなどをこなし「いい汗がかけた」と笑顔を見せた。

アルゼンチンから6月28日に来日。6月には20日間の米ネバダ州ラスベガス合宿を行い30ラウンドの強度の高いスパーリングをこなした。「厳しい練習をしてきた。自分の全てを出す」と力強く意気込んだ。井岡については「グレートなチャンピオン」と話し「強い選手と闘いたかった。もう試合の準備はできている」と順調な仕上がりをアピール。「戦争のような試合をする」を激戦を予告した。

12人兄弟の7番目。11歳と9歳の娘の父親でもある陽気な好青年は、サッカーのアルゼンチン1部リーグのボカ・ジュニアーズの熱狂的なファンだ。「マラドーナとメッシは私の心」と特大な敬意を示した。人気漫画『ドラゴンボール』の大ファンでもあり、髪の毛を青色に染めた理由を「ボカ・ジュニアーズの色。ドラゴンボールの色でもある」と笑みを浮かべて説明した。

スーパーフライ級の4団体統一を目指しており、井岡に勝って3団体統一戦をもくろむ。「バム(WBC王者のジェシー・ロドリゲスの愛称)とはやりたい。(WBO王者の)田中(恒成)とはもっとやりたいと思う。日本に戻ってきて試合がしたいから。日本が気に入っている。バムか田中のファイトマネーが良い方とやりたい」と語った。そのためにはまずは敵地で井岡に勝つ必要がある。「日本に勝つために来た。勝てるという確信がある」。ファイトマネーをたくさん稼いで「大家族なので、母に家を買ってあげたい」という夢を持つマルティネスは「おそらくこの試合のあと、ファイトマネーで少し夢に近づくと思う」と高いモチベーションでリングに上がる。

興行はインターネットテレビのABEMAで午後3時45分から独占無料生配信される。プロ戦績はマルティネスが16戦16勝(9KO)、井岡が34戦31勝(16KO)2敗1分け。(尾﨑陽介)