中国地方最高峰の工芸公募展「第67回日本伝統工芸中国展」(日本工芸会、同会中国支部、山陽新聞社主催)の岡山会場が22日、岡山市北区表町、天満屋岡山店6階葦川(いせん)会館で開幕した。作家たちの技と感性が響き合う陶芸や染織、漆芸などの作品がファンのため息を誘っている。27日まで。

 岡山、広島、鳥取、島根の4県の実力作家による入賞・入選作に、重要無形文化財保持者(人間国宝)らの優品を加えた116点を展覧。エッジの効いた稜線(りょうせん)が目を引く伊勢崎創さん(備前市)の特別賞・金重陶陽賞受賞作「備前花器」をはじめ、モダンなフォルムに優美な木目が映える野間清仁さん(美作市)の「楓(かえで)黒柿飾箱『雲 一期一会』」=日本工芸会賞、穏やかな色調で海原を表現した平恵子さん(府中市)の「紬織(つむぎおり)着物『漣(さざなみ)』」=NHK広島放送局長賞=などが並ぶ。

 開幕前に開会式があり、日本工芸会中国支部長の松田正己山陽新聞社社長、国重良樹岡山県教育次長らが「現代感覚を入れ込んだ秀作がそろい、まさに美と技の共演。一人でも多くの人に伝統工芸への理解を深めてもらいたい」とあいさつ。竹中正博岡山市副市長、黒住宗晴同支部顧問らを加えた6人でテープカットした。

 入場無料。会期中は毎日午前11時と午後2時に出品作家らが列品解説するほか、中国支部の会員らが手がけた花器や食器などを展示即売している。