将棋の女流棋士制度の発足50周年を祝う記念パーティー(女流棋士らでつくる実行委員会主催)が16日、東京都内であり、将棋関係者やファンら約400人が節目を祝い、交流を深めた。

 女性プロ第1号の蛸島彰子女流六段をはじめ、西山朋佳女流三冠、清水市代女流七段(日本将棋連盟常務理事)ら女流棋士55人が、ドレスや着物姿で出席。日本将棋連盟女流棋士会長の山田久美女流四段、日本女子プロ将棋協会(LPSA)代表理事の中倉宏美女流二段が「多くの人々の支えで節目を迎えることができた。これからも、将棋を指せる喜びと感謝の気持ちを大切にしたい」などとあいさつした。

 同連盟の羽生善治会長の音頭で乾杯。1974年に蛸島女流六段ら6人で制度がスタートして以来、大山名人杯倉敷藤花戦の創設(93年)など現在までの主な出来事を、映像を交えたトークショーで振り返った。平成期に長くライバルとして火花を散らした、清水女流七段と中井広恵女流六段の対談では、「互いに負けたくないという気持ちは持ちつつも、女性将棋を盛り上げたいという思いでは一致していた」と当時の心境を打ち明け、ファンから大きな拍手を受けた。

 女流棋士制度は、女性への普及を大切にした大山康晴15世名人(倉敷市出身)らの尽力で発足。現在は現役を退いた人も含めて100人以上が所属し、当初は女流プロ名人位戦だけだったタイトル戦は白玲戦、倉敷藤花戦など八つに増えた。