自殺などの悩みに応じる社会福祉法人「岡山いのちの電話協会」(岡山市北区上中野)が活動資金の確保につなげようと、障害者就労支援施設「ありがとうファーム」(同市)でアートを制作する利用者4人が描いた絵画の絵はがきを販売している。4枚セットの500円で施設側からデザインの無償提供を受けて作った。売り上げは資金に繰り入れる。

 絵はがきは、鋭い眼光や体毛を精緻に描いた「ミミズク」、緑の丘から海を望む「ふたつの島」など生命力や穏やかさが伝わる4枚。それぞれに「呼吸をするように絵を描く」「繊細かつ天真爛漫(らんまん)」といった作者のプロフィルも載せた。

 デザインは元々、協会が年2回発行する広報誌の表紙を2022年12月の第78号から刷新する際、ファームのアート活動を知る担当者が「色彩豊かな表紙にしたい」と有償で提供を依頼。ファームは「協会の活動に貢献できるなら」と無償で応じ、絵はがきへの活用も快諾したという。

 「誰もが元気に生きてほしいという協会の願いに合うデザイン。絵はがきの購入で活動を支えてほしい」と協会の草苅祐子事務局長。千セットを作り、活動に協力する宗忠神社(同市北区上中野)で販売している。

 山陽新聞社は地域の課題解決などを図る「吉備の環(わ)アクション」として今年5月、活動資金の大半を賄う協会への寄付が減少傾向にある状況を紙面で紹介。協会にはその後、10件以上の申し出があり、数十万円が寄せられたケースもあったという。絵はがきや寄付の問い合わせは岡山いのちの電話協会(086―245―4344)。