岡山経済同友会(岡山市北区厚生町)は18日、定例幹事会兼SDGs(持続可能な開発目標)推進委員会特別例会を同市内で開き、前環境事務次官で日本製鉄(東京)顧問の中井徳太郎氏が「カーボンニュートラルと『地域循環共生圏』の創造」と題して講演した。

 中井氏は、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラル(CN)の実現に向け、各企業は脱炭素の取り組みを経営の「本丸」の課題だと捉えるようになってきたと説明。温室効果ガスの科学的な削減目標を設定する日本の企業数は世界で最も多いとし、「真面目にコミット(関与)している点が世界的に注目されている」と述べた。

 環境省が提唱する「地域循環共生圏」の推進では、脱炭素化と循環経済、自然再興に同時に取り組む必要があると強調。製造現場ではごみになる前提でものを作るのではなく、交換しやすい部品を設計したり、再利用できる素材に変えたりすることが大切だと解説した。

 さらに、岡山県の真庭、瀬戸内市や西粟倉村が国の脱炭素先行地域に選定されていることを紹介した上で、「日本人には自然と向き合ってきた知恵がある。各地を横目で見ながら連携し、未来につなげてほしい」と呼びかけた。

 会員ら約140人が聴いた。