岡山県は5日、岡山桃太郎空港(岡山市北区日応寺)と韓国の仁川国際空港を結ぶソウル線の利用促進に向け、仁川国際空港公社と覚書を結んだ。アジア有数のハブ(拠点)空港である仁川国際空港での共同プロモーションやソウル線を活用したツアー商品の開発支援などに取り組む。県が海外の空港と覚書を交わすのは初めて。

 ソウル線を巡っては新型コロナウイルス禍による約3年半の運休を経て、2023年10月に週3往復で再開。8月3日からは週5往復となるものの、コロナ禍前と同じ週7往復の毎日運航の再開には一層の需要喚起が課題となっている。

 こうした状況を踏まえ、覚書には岡山県の観光情報を含めたPRを共同で行うと明記。世界約180都市への直行便を有する仁川国際空港を絡めたツアー商品の開発をサポートしたり、貨物輸送の促進に取り組んだりすることを盛り込んだ。

 5日は県庁で伊原木隆太知事と公社の申東益エグゼクティブ・ディレクターが覚書に署名。伊原木知事は「ソウル線は岡山にとって非常に大事な路線。覚書の締結でこれまで以上にプロモーションの幅が広がる」、申氏は岡山とソウルを約1時間半で結ぶ利点を踏まえて「仁川経由であれば東南アジアや欧州にも行きやすく、多くの方に利用してもらいたい」と述べた。

 岡山桃太郎空港のソウル線は同空港初の国際線として1991年に就航。今回の覚書はソウル線を運航する大韓航空の提案で実現した。