5月9日に告示される静岡県知事選の立候補予定者は2日夜、静岡青年会議所が主催の公開討論会に参加しました。子育て支援策やリニア問題などについて舌戦を繰り広げました。

2日夜、静岡市清水区で開かれた公開討論会には、知事選への立候補を表明している元静岡県副知事の大村慎一氏、前浜松市長の鈴木康友氏、共産党静岡県委員長の森大介氏が参加しました。

討論のテーマは、「静岡県のビジョン」、「子育て支援策」、「リニア新幹線静岡工区」の3つ。中でも子育て支援策については、それぞれ具体的な政策を主張しました。

<大村慎一氏>
「幼児教育はなかなかお金がかかります。国の施策もありまして、3人目以降は所得に関わらず無料になっています。2人目についても無料化したいというのが私の方針です」

<鈴木康友氏>
「これから学童保育の待機の解消に努めていく必要があると思います。もちろん施設も増やしていかなければいけませんけれども、専門的な知識を持った指導員を養成する」

<森大介氏>
「18歳以下の子どもの医療費の完全無料化、小中学校の学校給食の無償化、国民健康保険料税の子どもの均等割を無料にする」

リニア問題については、大村氏と鈴木氏が「推進」、森氏が「中止」を訴えています。

<大村慎一氏>
「大変重要な大井川の水、環境、土砂の問題について、しっかり今までの議論の積み上げを大事にしながら進めていく。1年以内にこの問題について結果を出したいと思います」

<鈴木康友氏>
「県でいろいろな議論を積み上げていただきました。そこは大変評価をしております。これから具体的な解決策について議論を詰めていく段階に来ている」

<森大介氏>
「コロナ禍を経てリモート化やオンライン会議が進み、高速移動のニーズ、リニアのニーズそのものが薄れ問われている。必要性が乏しく、問題山積のリニアは建設を中止し、環境と水を守る」

大村氏からは、同じ推進の立場を示す鈴木氏に対し、質問する場面もありました。

<大村慎一氏>
「いまの県政の対立と分断の一つの大きな要素はこのリニア問題だと思うんですけれども、混乱を最終的にどう収拾していく考えでしょうか」

<鈴木康友氏>
「今まで、あまり県と流域市・町の交流の場が少なかったと思うが、丁寧懇切に対話し、コミュニケーションを取り、理解していただく」

舌戦を終え、3人は固い握手を交わしました。告示まであと6日。静岡県知事選にはこのほか、政治団体代表の横山正文氏も立候補を表明しています。