先週末、静岡県沼津市内の公園で、マルシェが開かれました。

<客>
「2個入りを2ついただけますか」
<客>
「2個入りひとつください」

「おはぎ」を売る店には、多くのお客さんが並んでいました。

<客>
Q.さっき買われて、食べてみてどうですか?
「おいしくて甘すぎないので、すぐ1個ペロッとイケそうなくらい」

<客>
「“お米感”があって、あんまりベタベタ甘くない。すごく食べやすかったです」
<客>
「お米屋さんが作っていて、有名らしいですね」

今回の「しずおか産」は、伊豆のお米屋さんが作る「おはぎ」です。

伊豆市青羽根の「森島米店」です。厨房では、10人近いスタッフが、朝4時頃からおはぎを作っています。

<森島米店 森嶋昭仁社長>
Q.もち米や小豆どれくらい使うんですか?
「今日はもち米で30キロぐらい、小豆で40キロ分ぐらい、おはぎに炊いてます。だいたい1500個分ぐらい」

お彼岸やお盆には、1日に5000個売れると言います。

<東部総局 金原一隆記者>
「いただきます。もち米の粒がもうそのまま出てきますね。あんこがふわっふわですね。甘さが控えめですけど、なんかすごくしっとりしてて、おいしい」

<森島米店 森嶋昭仁社長>
「僕は、餅につく前の蒸かしたもち米が好きなので、すごく粒感をシャキシャキ感じられるところが伝わると嬉しいですね」

おはぎに使っているのは、静岡県オリジナルのもち米「葵美人」です。

<森島米店 森嶋昭仁社長>
「ものすごく上品なもち米でして、滑らかな舌触りが、特に葵美人の良さだと思っています。あとはもち米が主張しすぎないので、和菓子にすごく相性がいいもち米です」

そしてあんこは、北海道十勝産の小豆を天城山の伏流水で一度煮て、翌日、再び大鍋で練り、丸一晩かけて丁寧に炊き上げています。

「森島おはぎ」には、伊豆ならではの「味わい」があります。

<森島米店 森嶋昭仁社長>
「昔から、僕ら地元では、お塩をちょっときかせたおはぎっていうのを小さい頃から食べているんですね。それがうちの原点になります」

塩を利かせたあんこで作る「塩おはぎ」。天城湯ヶ島地方の郷土料理で、小説家・井上靖の作品「しろばんば」にも登場します。

「森島おはぎ」が誕生したのは3年前。きっかけは、新型コロナによって、主力だった仕出し弁当の注文が激減したことでした。そこで米屋の強みを生かし、「おはぎ」の製造販売を始めたのです。

<森島米店 森嶋昭仁社長>
Q.このおはぎ、これからどんなところを目指したいですか?
「どうせ作るなら、僕自身があんこがすごく大好きなので、せっかくなら一番美味しいを目指して作ったもんですから、やっぱり日本一ですかね、日本一おいしいって言ってもらえるおはぎを目指していきたいですね」