リニア中央新幹線のトンネル工事が行われている岐阜県内で、井戸などの水位が低下した問題についてです。JR東海は、5月21日から工事を中断していますが、地元の知事は情報共有の遅れについて苦言を呈するなど波紋が広がっています。

<JR東海 丹羽俊介社長>
「より慎重な対応として、現地点でトンネルの掘削を一時中断して、水平ボーリングなどによる地質調査を実施するとした」

岐阜県瑞浪市では、トンネル工事の現場周辺で「井戸」や「ため池」の水位が低下していることが明らかになりました。JR東海は、トンネル工事の影響の可能性が高いとして、5月21日から工事を一時中断して6月にも地質調査を始めるとしています。

<工事現場近くの住民>
「工事をすぐやめて原因を追及してほしいと要望があったので、その通りになったのは良い判断」

<工事現場近くの住民>
「水が復活するのはあり得ないと思う。そこまできちっと本当に本腰すえてやってくれれば」

一方、別の問題も浮上してます。

<岐阜県 古田肇知事>
「速やかな情報共有が不可欠。そのことについては残念で遺憾」

岐阜県の古田知事は5月21日、水位の低下について2024年2月から異常が確認されていたにも関わらず、県に対しては、5月まで報告されていなかったとして苦言を呈しました。

岐阜県は、今後、専門家による会議を開き原因の究明や対策の評価を行う方針です。

<JR東海 丹羽俊介社長>
「岐阜県との情報共有において至らない点があったと認識しておりまして、これは改善していきたいと考えている」

瑞浪市での水位の低下をめぐっては、丹羽社長は5月16日の会見で「静岡工区の状況とは異なる」という考えを示しています。

一方、JR東海はおととい山梨県内から静岡県側に向けて、地質や地下水について調べるボーリング調査を再開しています。